第29話

「 じゃあ、今日から早速練習よ、あたしについてきて! 」


そう言うと凛子さんは部室から出て行ってしまった。


『 何してるの、早く来なさい! 』


「「 はい! 」」


え?ここじゃないの?

うん、違う場所みたい…


私とちあきは凛子さんの後を追った。


「 ねぇりさこ、あの人歩くのめちゃ早くない? 」

「 歩くのだけじゃないよ、喋るのも早いし…なんか先が思いやられそう 」


階段を降りてしばらくすると1Fに到着、頑丈そうな扉を凛子さんが開けると、更に階段を降りて行った。


薄暗くシーンとした通路は、3人の足音しか聞こえない。


「 なんか怖い…おばけ屋敷みたい… 」

「 こんな場所あったんだ、どうやら地下室のようね、こんな所でいったい… 」

「 りさこ…わたしトイレ行きたくなってきちゃった… 」

「 私も… 」


突然、凛子さんは足を止めて、私達の方に振り返った。


「さあ!ついたわよ! 」



「「キャッ!… 」」


び、びっくりしたあ!、あまりにもメイクが濃いから…

本物だと思っちゃった…

りさこも?

そう言うちあきも?

う、うん…大きい声じゃ言えないけどね…


「 あんた達、なんか言った? 」


「「 いいえ!… 」」

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