第27話
テストも終わり放課後になった。
「 やっぱりダメダメだった〜 ちあきは? 」
「 わたしも、なんかさぁ朝のあのよしきさんのことが気になって 」
「 何それ!ちあきってば!? 」
「 だって!西島先輩はかっこいいし、よしきさんは色っぽくて、なんかこう中性的な感じで、あ~いいなあ…」
ちあきったら、方向性が違うじゃない、結局は、ちょっと頼りなさそうな西島先輩と、派手なよしきさんのことが気になるのね、まぁ、確かに2人ともイケメンだからわからないわけでもないけど、ってゆーか、あの堤防の時の斉藤さんや北川さんもいい感じで…
「 ねえちあき?今日、またあの部に行ってみようか? 」
「 行ってどうするの? 」
「 決まってるじゃない、入部届けを提出するのよ! 」
「 だってわたしはあの人に… 」
「 大丈夫!、私に任せなさい! 」
軽音楽部のドアをノックしても中から反応は無く、物音ひとつ聞こえない。
「 ちょっとだけ、覗いてみようか? 」
「 誰かに見つかったら怒られちゃうよ」
「 へいきへいき、ちょっとくらいなら 」
「 りさこ!? 」
ドアを少しだけ開けて中に頭を入れてみた、けど、やっぱり誰もいない、それにしてもこの部室何も無いし、あの時あった椅子とテーブルが置いてあるだけ…
楽器とかも見当たらないし、こんなところで本当に音楽とかしてるの?…
「 うわッ!…ちょっとりさこ! 」
「 な、なにッ! ちあき? 」
「 コラコラ~…不法侵入の容疑で…逮捕しちゃうぞ! 」
タイホ!?
慌ててドアを閉めて振り向くと、そこにいたのは
凛子さん!?
うわ!いちばん見つかりたくない人に捕まってしまった。
入部できるかどうかがこの人にかかっているのに、イメージダウンもいいところ。
このままじゃ、西島さんがいくら頑張ってくれたとしても、私達は不適正にされてしまうだろう。
とりあえず謝らなくちゃ
「 勝手に入ったりしてごめんなさい…」
すると、凛子さんは部室のドアを開けると、私とちあきの手首を掴んだ。
「 はい、確保! これから取り調べをします、さあ、中へ入りなさい 」
本当に逮捕されてしまった私とちあき…
りさこ…
ごめん… ちあき…
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