第2話
愛くるしいその姿を見ているうちに、それまでの劣等感は薄れ、心の中の重たい物が頭から空へ抜けてゆくような、そんな気持ちになっていった。
「 り〜さこッ!」
その声に驚いたのか、木から翔び去る二羽の小鳥、私はその行方をしばらく追い続けていた。
「 何を見ているの? 」
そう言いながら千秋は私の横へ並んだ。
私の目線に合わせるように、同じ方向を見据えて何かを探している。
「 いいなあ… 」
広大な青空の中へ仲良く飛んでゆく小鳥を見ていたら、つい、その言葉が出てしまった。
「 いいよね… 」
ちあき?
突然、千秋は振り向くと、私の手を両手で握りしめてきた。
ニッコリと微笑みながら、大きな目を更に大きく見開き、私を見つめる千秋
「 上手く 云えた? 」
「 う、ううん・・ 」
叶ったのなら、さっきみたいなため息なんて漏らさない。
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