ハート&ソウル

第1話 入部？

ハートに反比例する、透き通ったオレンジ色の朝日が眩しい通学路。

比例した青色の空に、ふんわり浮かぶ小さな雲を見ながら、堤防沿いの通学路を歩いていると、いつもの古い桜の木の下で足が止まってしまった。

どうしたの？

行きたくない！

ダメだよ、ちゃんと行かなくちゃ

だって！もうムリだもん！

何言ってんの！？この臆病者！

だって…自信ないし、もうダメ…

バーカ、戦う前から負けたようなもんだよ！？

勝負してみなければ結果は分からないのだから、たとえ負けたとしても、また頑張ればいいじゃない。

気がつくと、ローファーと口論になっていた。

はぁ・・・・

…はっ？

何かの視線を感じ、つま先から目の前の桜の木に目線を上げる。

中間くらいのところで体をまあるく膨らませ、ぴったりくっついているカップルに見つめられていたからだ。