「わかった。いいよ。案内してあげる」

 話を聞いた松は二人にそう言った。

「ありがとう」

 と二人は松にそう言った。


 福と宝


「綺麗な桜だね」

 福は言う。

「ああ。そうだな」

 福の隣に一緒に立って、とても大きな枝垂れ桜の木を見ながら宝は言った。

 二人は今竹宮神社の境内の中にある大きな古い枝垂れ桜の木の根元のところにいる。

 すると遠くから「あれ、先客がいる」という声が聞こえた。

 見るとそこには三つの影があった。

 その三人の顔に福と宝は見覚えがあった。

「珍しい組み合わせだね」

 三人の先頭を歩いていた竹宮松が福と宝を見てそう言った。

「そっちこそ、珍しい組み合わせだな」

 松を見て宝が言った。

「こんにちは、福ちゃん。町田くん。二人も竹宮神社の桜を見にきたの?」

 と竹は言った。

「こんにちは。野口さん。町田くん」

 と雀は言った。

「こんにちは」

「うん。こんちは」

 と福と宝はいう。

 挨拶を終えると五人は枝垂れ桜の根元に立って、美しい桜の花を見上げる。

「二人も、竹ちゃんたちと同じようにデート?」

 ふふっと笑って松は言った。

「違うよ」

「ち、違うよ!!」

 と宝と竹が二人で一緒にそう言った。

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