第3話 裸エプロンはお好きですか?【前編】
紗奈と再会した日から三日が経過した今日。
両親も含めて、全員がグルになって仕込まれていた罠にまんまと引っ掛かってしまった俺はなんとも言えない日々を送っていた。
美少女との同棲生活……聞こえは悪くないが、幼馴染相手だと一体どんな感じになってしまうのだろうか。やっぱりドキドキした毎日が待っているのか……あまり女子との関わりがなかった俺からすれば想像ができない領域だった。
とりあえず今日、奴が引っ越してくる。合鍵を渡しているから大学から帰宅した頃には荷解きも終わっているとは思うけど……
「どしたん? そんな微妙な顔して」
講義が終わった後、受講生が次から次へと教室を出ていく中で俺は机の上にだらーんとうつ伏せていた。
隣の席で同じく講義を受けていた健人がやれやれといった感じで哀れみに近いような視線を送ってくる。
「いや別に……」
「ああ〜、そう言えば今日が同棲初日だったか。どうだー? 感動の再会を果たした幼馴染ちゃんとは仲良くやってるかー?」
「仲良くはやってるけど、あれのどこが感動の再会だよ」
親友に半ば強制でヤリサーの見学に参加させられたら、約八年ぶりの幼馴染に再会するなんて感動も何もねーだろ。
おかげさまで一時期は紗奈とおばさんにヤリチン疑惑かけられるし、散々な目にあったわ。
「そーいや、健人はあのヤリサーに入ったのか?」
「いや、さすがに入らなかったな。ヤリ目ならまだしも俺だってそろそろ新しい彼女は作りたい。あのサークルに入ってることがバレたら、彼女も作るのが難しくなるだろ」
「お前、それでよくも俺にヤリサーを紹介できたな……」
クズと言うべきかなんと言うべきか……。
俺は呆れを通り越して、ただ短いため息をつくのみだった。
「あ、でも、ヤリサーのおかげで新しい出会いもできたぜ?」
「あ?」
「ほら、ヤリサーの見学に行った時にお前の幼馴染と一緒に来てた女の子がいたろ? その子だよ」
「ほーん……」
「お前の幼馴染もめちゃくちゃ可愛いが、あの子もお淑やかというか――」
お淑やかの女子が面白半分でヤリサーの見学に参加するのだろうか。
健人の語っている様子を見ているとガチで恋している雰囲気を感じた。
「あ、もうそろそろ時間だ。じゃあ、俺帰るわ」
「え、あ、ちょっと! 裕、まだ俺の話は――」
時計を見ると、もうすぐで午後四時二十分を指そうとしている。
あまり遅くなりすぎても、紗奈のことだから鬼電なり大量のメールを送ってくるに違いない。余計な心配をかける前に帰宅した方が無難だろう。
――そう言えば、帰宅した時に楽しみにしててねみたいたこと言われてたけど……一体あいつは何をするつもりなんだ?
紗奈が変なことを企んでいなければいいんだけど……。
【あとがき】
作品フォロー(ブクマ)や★、レビューなどよろしくお願い致します!執筆の糧になります!
さすがに3チャンネル分の漫画動画のシナリオ作成もあって毎日1万字書き続けるのはキツいけど……今日はあともう1話投稿する。
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