第26話 ボス部屋
草原の中に大きめの岩がぽつり、そこに扉があるのだから見落としてしまいそうな位置にあった。
まだ草原の端は見えない。目印を頼りに進んでいなかったら攻略に時間が掛かるのがよくわかる。
大きな壁がエリアの端と言わんばかりに立っているのではなく、ただの大きい岩に扉があるのだ。気づかずに裏側を通った冒険者もいただろう。
七十四階層のボス部屋の扉は豪華だった。彫刻が施された岩で、ところどころ金色になっている。金の装飾で彩られた扉から金を取ろうとした冒険者も居たらしいが、何を使っても採掘出来ないのだという。
六十階層からはこれと似たような扉らしい。
「七十四階層のボスはキング・フォウウルフが引き連れた大規模な群れ、のはずだ」
ボス部屋前で地図を開き、ギルドからの報告書も開く。七十八階層までの魔獣とボス情報はきちんと持ってきている。
「まぁ、だが、注意していこう。どこもおかしくなっているからな」
全員が頷く。エルドが先頭に立ち扉を押していく。ずず、と重い音がして扉が開いて行く。
面白いもので、扉を開けるだけでは魔獣は寄ってこない。ボス部屋から出られないルールなのか知らないが、視線は扉の方を見るが向かって来ようとはしないのだ。
だが、今回は違う。
大きな牛の頭を持つ魔獣が、入り口に向かって何度もタックルを繰り返している。
エルドは開けた隙間から猛突進してくる牛の魔獣に、流石に驚いて飛び退いた。
やはり不思議な力が働いているのか、ドアは牛が何度ぶつかっても外から開いたままで動かない。牛も中から飛び出てきたりはしない。中から押せば簡単に閉まるのに不思議でならない。人と魔獣は何かの判定が違うのだろうか。
「おいおい、こいつはなんだ」
「鑑定する、少し場所を開けろ」
エルドとカダルの位置が変わる。きゅ、と少しだけカダルの眉間に皺が寄った。
目を凝らして鑑定するのが癖なのだろうか。それとも鑑定結果のせいか。
「ツカサ、お前も見れるか?情報を合わせたい」
「わかった」
【鑑定眼】を牛の魔獣に向ける。
【ドルロフォニア・ミノタウロス】
八十六階層ボス主
レベル:86
ミノタウロスの中でも非常に好戦的。殺さずに人肉を喰らうことが好き。
さぁ、と血の気が引いた。
七十四階層で八十六階層のボス主が出ている。
「ドルロフォニア・ミノタウロス」
「同じ名前だ、階層は八十六?」
「うん、そう出てる。すごい好戦的で、殺さないで人肉を食べるのが好きだって」
「同じだな。俺の方には加えて空腹状態と見える」
鑑定のレベルの差だろうか、カダルとの鑑定結果に僅かな差異がある。
それを置いておいても不味いことはわかる。
エルドのレベルは90、カダルは86、マーシは70、ロナは60だ。
ツカサは一階層の開幕のあれこれで28まで上がっているが、その程度だ。
レベル的な余裕があるのはラングだけだ。
「クソが、なんだってこんなにダンジョンが狂ってやがるんだ」
エルドが悪態を吐く。レベルが全てではないとはいえ、ボス部屋に入るのを躊躇する状況ではある。
ラングはふむ、と腕を組みしばらくドルロフォニア・ミノタウロスを眺めていた。
『聞きたいんだが、この扉、内側から外には出られないが外からの物は通じるのか』
『へ?』
『試すか』
ラングは双剣を一本と、太腿のナイフを抜いて扉の前に居る全員を離れさせた。
すーはーすーはー、と独特の呼吸音がして、ラングの姿勢がぐぐっと低くなった。
空腹からか、だらだらと涎を零してドルロフォニア・ミノタウロスは扉へタックルを続けている。
タイミングを合わせてラングが一気に扉に向かって弾丸のように飛んだ。
通り過ぎた一陣の風を目で追うと、ラングの手に在った二本の刃が突進を繰り返していたドルロフォニア・ミノタウロスの脳天に刺さっていた。
扉の内側には必要以上に入らず、素早く剣から手を離し扉を蹴って外に戻ったラングは、ふぅぅ、と静かな息を吐いた。クールダウンの音だ。
『いけるな』
『説明してからにして!?』
「なるほどな、ここまで来てたら別に入る必要もないか」
「ボス部屋は入る、が常識だと思っていたから盲点だったな」
「すっげー何今の」
「み、見えませんでした」
それぞれが感想を零し、ボス部屋のドルロフォニア・ミノタウロスを眺める。
攻略するのに正攻法も卑怯も何もないのだ。日頃ボスは部屋の中心にいるから中に入らざるを得ないのであって、こう言った手法がだめという法律はない。
これはゲームではできない手法だな、とツカサは内心で思い、ラングを見上げた。
『脳天に突き刺しはしたが、しぶといな』
ぐふ、ぐふ、と短く浅い息を吐きながらもドルロフォニア・ミノタウロスはまだ生きていた。
刺された衝撃で最初は雄叫びを上げて後ろへたたらを踏んだが倒れずに堪え、剣を抜こうと腕を振りまわした。幸か不幸か双剣の柄に振り回した手が触れ、頭蓋骨をさらに抉り脳を切り刻みながら一本が飛んで抜けた。ナイフはまだ刺さったままだ。
ドルロフォニア・ミノタウロスは膝を突き、ブフー、と苦しそうな息を繰り返すようになった。
「ツカサ」
「え、なに」
「トドメ、譲る」
「ひっ」
まさかの発言に後ずさってしまう。
このまま放っておけばいずれ死ぬだろう。わざわざトドメを刺す必要性がわからなかった。
『苦しませるな』
やった張本人が何を言っているのか、というのは、言ってはいけないのだろう。
『魔法をすぐに撃てるようにしておけ、ボス部屋に入った瞬間、殺せ。エルド達にもそう話せ』
『わかった、わかったよ』
ラングからの指示を伝えるとエルドとカダルは深く頷いた。
「賢明な判断だな、このまま倒したところで次が沸く可能性がある。中に入って消滅を確認し、次の階層に行く方が良いだろう」
「戻るっていう選択肢は?」
「現状はないな」
エルドが強く頷き、ツカサは深呼吸をしてゆっくりと魔力を練り上げ始めた。
強く、貫けるもの。とどめをさせるもの。氷が良い、思い切り体を貫いて、とどめを刺そう。避けられたら怖い、広範囲に当てるイメージで。
「よし、1、2、3で入るぞ」
エルドが全員に声を掛け、盾を構えて念のために備える。マーシも剣を持ち、カダルも短剣を持つ。ロナも杖を構えて有事に備える。
1、2、3で全員が中へ入り、ツカサはドルロフォニア・ミノタウロスが何かを起こす前に手を前に出した。
「貫け!アイスブランド!」
太く鋭い氷の氷柱が浮かびあがり、冷気をまき散らしながらドルロフォニア・ミノタウロスへ飛んで行く。
ドルロフォニア・ミノタウロスは雄叫びを上げて、最期の力を振り絞って斧を振り上げ投げつけて来る。
「
瞬時にロナが障壁を張った。エルドが大盾を構えヴゥンと振動音を発した。鋼鉄の盾のスキルだろう。
いくつかの氷が斧で砕かれたが、そのおかげで軌道が変わり床にがらんと落ちる。残りの氷や追加の氷がドルロフォニア・ミノタウロスの体を貫いて行く。追加で魔力を練り上げて何度も呪文を唱える。
「アイス!アイスブランド!アイス!」
ドカドカと容赦ない音が響き、氷がドルロフォニア・ミノタウロスの体を奥へ奥へと押していく。最終的に壁に磔になる形で動きを止め、最後の氷柱がドルロフォニア・ミノタウロスの額をぐしゃりと貫いて潰した。
しゅうしゅうと音を立ててドルロフォニア・ミノタウロスの体が崩れ、消えていく。
「え、えげつねぇ」
「言っている場合か、あれで良いんだ」
マーシの呟きにカダルがその後ろ頭を叩く。ツカサはふーっと息を吐いて膝に手を置く。ロナが障壁を解き、ツカサの背中を摩ってくれた。
全力で撃って正解だった。
あれだけ死にそうな姿を見せながら、斧を投げつけて来て正直体が強張った。
氷柱の数を多くイメージしてよかった。ロナの障壁、加えてエルドがしっかりと斧の軌道を防ぎ抑えようとしてくれたおかげで、体は強張ったが止まらずに済んだ。
最終的に魔法で防ぐことはできたが、一撃必殺で撃っていたら上手く行かなかっただろう。
ラングはツカサの肩を叩いた後、双剣とナイフを拾い刃を確認、灰を払って元の場所に納めた。
「あぁ、この階層にいたボスは喰われたみたいだな」
マーシが部屋に進み、落ちている宝箱を指差す。
ドルロフォニア・ミノタウロスで見えていなかったが、キング・フォウウルフの素材と宝箱、七十四階層の宝場も端に転がっていた。
ドルロフォニア・ミノタウロスが磔られた壁には氷だけが残り、床に同じように無造作に素材と宝箱が転がっている。
「ボスがいる所にドルロフォニア・ミノタウロスが沸いたということか。ボス部屋はリポップをしないはずだが、こうなって来ると怖いな。全て疑ってかかる必要がありそうだ」
「ラング、収納を頼めるか」
鞄、を示されラングは全てを空間収納へ仕舞った。
「七十五階層の癒しの泉エリアで検分しよう」
またミノタウロスが沸いては困る。全員がそそくさとボス部屋を出て下り階段へ向かった。
―――――
七十五階層は同じ草原エリアだ。
階段を降りきると七十四階層と同じような光景が広がっている。
やや太陽が傾きだしている。
「ツカサ、魔獣避けのランタンだが少し強く点けていられるか?ロナに魔力を入れてもらっても良い」
「大丈夫、危なくなる前にお願いするよ」
からんと魔獣避けのランタンを強めに点けると、煌々と照る灯りが日の光に僅かに勝つ。
ぎぎ、と離れたところで声がした。魔獣が距離を取ったのだろう。
この魔獣避けのランタン、中々に優秀だった。
七十五階層でランタンを消さない理由を聞いてみた。
「ボス後に戦闘はしない方がいい。気づかない緊張があるからな」
とは先導のカダルの弁だ。
七十四階層でしばらく消して歩いたのは、遭遇する魔獣の種類を調べるためだったのだという。
ここでは明日以降その調査が始まるのだろう。
七十五階層も変わらない景色が続く。幸いなことに癒しの泉エリアはそう遠くなかった。
ぽわんとした空気を感じ、石造りの癒しの泉の淵に寄り掛かる。ドルロフォニア・ミノタウロスの緊張が今になってピークに達し、体が小刻みに震えた。
なるほど、気づかない緊張というのはこれだろう。マーシにくしゃくしゃと髪を混ぜられた。
「お疲れ、びびるよな、あんなの」
「今日はもう、休めるかな」
「あぁ、ボス後はゆっくりするぞ」
「皆さん、こちらへ!」
今日の宿がここに決まったことにほっとしていると、ロナが必死の声で呼ぶ。
寄り掛かった場所の向こう側、癒しの泉エリアの中に冒険者が倒れていた。
かなり装備が汚れている。手に持っていたのだろう剣は途中で折れ、足は無造作に投げ出されている。
「【銀翼の隼】?」
「わからん、最近の面子は把握してないんだが」
「ギルドカードを探せ、そもそも生きているのか?」
「手当てします!」
「悪いな、鞄見るぞ」
それぞれがテキパキと動き出す。カダルは冒険者の口元に手を当て呼吸を確認し、マーシが放り出されていた鞄を漁る。
エルドは泉の周りをぐるりと回り、境界ぎりぎりまで他にいないか確認に回っている。
「生きてるな。ロナ」
「はい!癒しよ癒し、生きる命を引き留めて。ヒール」
杖を差し向けてロナが集中しやすいように詠唱を行なう。杖先からふんわりと光が溢れ、怪我をしているらしい場所へ集っていく。
鞄を漁っていたマーシが首を傾げる。
「ギルドカード無いぞ。もしかしたらアイテムボックスの中かもしれないな。こっちは鞄が開かない」
「鍵魔法が使えるのかもしれない。体を漁るのはあとが面倒だな」
「パーティに鍵魔法使いが居れば、こういう時早いんだけどな」
「とりあえず布を敷いて寝かせておけ、あまり関わらないでおくぞ。手当しただけで十分だ」
この世界の冒険者は意外と淡々としている。いや、ダンジョンに入る前に優先順位を明確にしたからだろう。深く関わらず最低限の対応で終わらせる、それがパーティメンバーを助けることになるのだ。
「そいつが起きる前に宝箱の中身を分配するか、ラング、出してくれるか」
ぱ、っと宝箱がどさりと出て来る。
七十四階層の踏破宝箱、倒されていたキング・フォウウルフの宝箱、ドルロフォニア・ミノタウロスの宝箱の3つだ。
山盛りの財宝が手に入った。
七十四階層の踏破宝箱
白金貨 500枚
金貨 600枚
魔石(最高級:大) 8個
魔石(高級:大) 24個
俊敏の指輪
癒しの宝玉
キング・フォウウルフの宝箱と素材
フォウウルフの銀毛皮
キング・フォウウルフの牙
フォウウルフの肉
白金貨 400枚
銀貨 300枚
魔石(高級:大) 35個
ドルロフォニア・ミノタウロスの宝箱と素材
ミノタウロスの双角
ミノタウロスの肉
ドルロフォニア・ミノタウロスの心核
白金貨 700枚
金貨 500枚
魔石(最高級:大) 20個
力の腕輪
魔石のランタン
土の短剣
これだけの財宝があれば一生遊んで暮らせそうだ。
白金貨などの金はパーティで二分割した。初撃はラング、トドメはツカサが刺したこともあり辞退もされたがややこしくなるので半分に割った。
人数で割ればツカサたちのほうが少なくなるところ、パーティ分割であれば割合が大きいので有難い。
白金貨八百枚、金貨八百五十枚、銀貨百五十枚が現在の稼ぎだ。
それから素材とアイテムの分配。
肉はダンジョン中に全員で食べることに決まった。
魔石はお金と同様に二等分。
―― 俊敏の指輪。素早さが上がる。
―― 癒しの宝玉。魔力を込めて使えば傷を癒せる。
―― 力の腕輪。力が上がる。
―― 魔石のランタン。魔石を利用して使用するランタン。
―― 土の短剣。土属性の宿った短剣。魔力を込めれば土が隆起する。
まず短剣はツカサが欲しがった。刃が切れるタイプなので今持っているシリーズと同じようなものだったからだ。功労者だからとすんなりと要求が通った。
俊敏の指輪はラングがカダルに押し付けた。このメンバーでは確かに、使えるのはカダルしかいない。
癒しの宝玉は使い勝手が良さそうだがどちらのパーティにも癒し手がいるので、人数の多い【真夜中の梟】に譲った。ロナが受け取りその場ですぐに魔力を込め始めた。
力の腕輪はラングが手に取ったので誰も何も言わなかった。
魔石のランタンは扱いに困った。魔力を込めて使うタイプのランタンがすでに二つ手元にある。ラングの消費が無いランタンもあるし、【真夜中の梟】も魔力を込めるタイプのランタンがあり、不足はない。
これは戻ってから売りに出し、お金を分けることに決まった。
冒険者がダンジョンに命を懸けるのがよくわかる。あっという間に大金持ちだ。
ラングの機転と魔法のおかげで一見して苦労なく攻略が出来ているが、こう言った手段のない冒険者は身一つで戦うのだ。死と隣り合わせな稼ぎ方だ。
ゲームとは違い気を抜けない環境に、ダンジョンに籠り続けるのは合わないタイプだな、とツカサは自分の状態を考えて思った。
命の危険に晒されることもなく十七年間を生きていたので、やはりストレスなのだ。
割り振りが終わり、ラングが組み立て式竈を取り出す。
【真夜中の梟】も組み立て式竈を取り出すと、お茶を飲むための湯を沸かし始める。ラングに料理を作ってもらうにあたり、竈を邪魔しないためだ。
キャンプエリアでは薪を拾うが、ダンジョンではこう言った時に使うのは魔石だ。
クズ魔石と呼ばれているツカサが一階層でスライムなどから得た魔石に火を点けると、固形燃料のように燃えるのだ。ラングは薪を好むのでそれも街で仕入れてある。
着火剤に魔石を使い、薪を燃やす。パチリと弾ける音に安心感がある。
今夜はフォウウルフの肉を使うらしい。
少しだけ切り取って直火で炙り味を確かめる。
ラングはふむ、と考えたあと鍋を取り出す。
ツカサに声をかけ、ニンジン、芋、玉ねぎ、トマトを受け取る。全てを一定の大きさに切り鍋に入れる。
オークのラードで野菜を炒め、ローリエによく似たハーブを砕いて入れて香りを出す。
気分転換用と別にラングが仕入れていた葡萄酒をたっぷりと鍋に注ぎ、薪を調整しことことと煮込む。
最初はアルコールの香りが強かったが、だんだんと良い香りが漂ってきた。
塩を入れ味を調え、ハーブを追加で入れる。お玉で味見をして、うん、とラングが頷いた。
ごくりと全員が喉を鳴らす。
パンを差し出されたので焼けということだ。ツカサは受け取ったパンをラングから借りたパン切ナイフでざくざくと切り分け、鍋を退けた焚火でカリカリに炙っていく。
ロナが沸かしたお湯をコップに注いでラングから渡されていた乾燥茶葉を入れる。すっかりラング式が浸透している。
「器」
もはやいつもの掛け声に全員が並ぶ。
さらっとしたシチュー、ごろりと転がる野菜とフォウウルフの肉。ふわっと香る匂いはレストランで嗅いだことのある、お高めのビーフシチューの匂いだ。
パンの入った木籠をツカサが真ん中に置き、手を合わせる。
「いただきます」
全員でぺこりと挨拶をするのも見慣れた光景だ。
スプーンで湯気の立つ
アルコールの飛んだ葡萄酒が独特の酸味とコクを出している。味付けは塩と野菜とハーブと肉だけなのに、美味しい。フォウウルフの肉は少し筋張っていたが、噛めばじゅわ、とゼラチン質の脂が口腔に広がる。筋を感じたからこそ、酒で煮込んだのだろう。
赤紫に染まった芋は見た目よろしくないが、味が染みて大人の味だ。ニンジンが甘くて特においしかった。
パンもシチューもあっという間に消えていく。全員がおかわりをして最後に残ったシチューは育ち盛りのロナとツカサで分けた。
食後にお茶もおかわりをした。二杯目はやはり薄いが、お湯よりは良い。
食事を作ってくれたラングに礼を言い、たらい風呂を使うかどうするかをわいわいと話す。湯の入れ替えは必要だが、温かいお湯で体を流せることは気持ちいいのだ。三日経った頃に風呂に入っているのがバレて、【真夜中の梟】もたらい風呂に入るようになっている。
エルドは体格がでかいのでたらいに膝を抱えて入る姿に爆笑してしまい、全裸で癒しの泉エリアを追い回されたのは少し怖かった。
そんな時だった。
食事休憩のあと、鍛錬をするかと言ったところで倒れていた冒険者が目を覚ましたのだ。
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