第10話 コラボの打ち合わせ〜3人よってもなかなか知恵はでるものではない〜
コラボ告知をしたその夜。俺、雪、奏は打ち合わせをし、土曜日のコラボ配信の予定を決めよう、ということで通話を繋いでいた。
『さて、じゃあ始めましょうか、打ち合わせ。あっと、その前に先輩、一度この女殴ってきても良いですか?』
全く始める気のない雪の声で始まった打ち合わせ。お前の家から奏の家までどれくらいかかると思ってるんだ。
というか、いきなり野蛮すぎだろ。どんだけ奏に恨みがあるんだよ。
『え〜?流石にやりすぎじゃない?胸が小さいと心の器も小さくなっちゃうの?』
『胸の大きさとそれは全く関係ないですよ‼︎喧嘩売ってるんですか?買いますよ?』
『え〜、野蛮だな〜。喧嘩するんだったらもっと別の勝負しようよ。ほら、胸の大きさとか。』
『だ・か・ら‼︎いちいち胸のことを出さないでください‼︎うるさいんですよ‼︎この高校デビュー陰キャ女!』
『あ〜!言ってはならないことを!そんな他人のコンプレックスを突っついて楽しいわけ⁉︎』
『あなたにだけは言われたくないですよ‼︎』
……あの。君たち進める気ある?無いよね?絶対ないよね!?
はぁ〜、頭が痛くなってくる。なんで俺はこんなところにいるんだ?取り敢えず止めるか。
「ちょっとお前ら落ち着———」
『『
……泣いていいか?というか、何でそんな時だけ息ピッタリなんだ、お前ら。
★★★
それから数十分後、一時休戦の形で喧嘩は終わり、やっと打ち合わせに入ることができた。
『さて、それじゃあ、何やりましょうか?候補としてはいろいろありますが。』
「んー、シンプルに雑談配信とかで良くね?そこまで準備の時間とかあるわけでもないし、企画系とかはきついだろ。」
『まぁ、確かにね~。それに御影も始めたばかりなんだから、そこまで凝ったものじゃなくても良いと思うし。』
『ちょっと待ってください。今私さりげなくハブられてませんでしたか?』
『あ、ごめ〜ん。胸と一緒で存在感無かったから忘れちゃってた〜。』
『だから!うるさいですね!そもそも私の胸はBですよ!』
『嘘はよくないよ?それAだよね?』
『ギリギリBですよ‼︎』
『んー、でも私Eはあるよ?』
『うるさいですね!私にそんなマウントとって嬉しいですか⁉︎』
『うん、すごく嬉しい。』
『この女…‼︎』
あのさ……そういう話やめてくれない?俺入りにくいんだけど……。せめて普通の悪口にしてくれない?なんで胸とかの話になるの?……いや、悪口も駄目だわ。
『まぁ、取り敢えず決めちゃおうよ。進まなくなっちゃう。』
『元々、貴女から煽ってきたんじゃないですか‼︎』
『あ、マシュマロ返信とかどう?準備としてはマシュマロ募集するだけだし、2人の紹介にもなるし。』
『人の話を聞きなさい‼︎
……まぁ、でもマシュマロ返信は良いんじゃないですかね?先輩もどうですか?』
「んー、良いんじゃねぇか?これだったら時間かからないしな。」
『じゃあ、これにしよっか。まぁ、でもどうせ質問の内容はカップル関連で埋まると思うけど。』
『うっ、ま、まぁ、その辺は未来の私に任せとけば良いです。取り敢えずこれで決定ですね。』
こうして、コラボ配信の内容は決まった。これで一件落着なんだが……俺いる?俺、何にもやってないけど?
というか,お前ら!そんな普通の会話ができるなら最初からやってくれよ!絶対俺が怒られる意味がなかったじゃん!
「はぁー、じゃあこれで決まりだな。切るぞ。」
『は?何言ってるんですか先輩?』
『そうだよ。さっきの私たちの話聞いてたの?』
「え?いや、聞いてたから終わろうとしてるんだろ?マシュマロ返信配信で決定じゃないのか?」
なんだ?まだやることでもあるのか?もう、決めることなんてない気がするが……。
「さっき話してたじゃないですか。喧嘩の続きはスマ〇ラでやりましょう、って」
「はぁ?お前らの喧嘩なんだから勝手にやってればいいだろ。なんで俺もなんだよ。」
なんで俺がこいつらの喧嘩に付き合わされないといけないんだ、めんどくさい。
「でもさっき聞いたときは良いって言ってたじゃないですか。」
「そんなはずは……」
……なんか返事した気がする……。こいつらの喧嘩が長すぎて暇だったからゲームしてたから適当にした気が……。
ミスったな~。
雪も俺のそんな様子に気が付いたようで、揶揄っている声で言ってくる
『先輩、言いましたよね?』
「……言ったな。」
『はい、ということで先輩、やりますよ?』
明日も遅刻かな?そう思いながら俺はゲームを起動させるのであった。
ちなみにだがスマ〇ラは4時まで続き、後日、無事三人仲良く遅刻したのは言うまでもない。
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テストや受験が近くなってきたので投稿が不定期になります。投稿頻度が少なくなりますが、これからも応援よろしくお願いします。
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