第33話 四天王よりシチューが怖い

可笑しいな?


まだ、何も連絡が来ない何て、何があったんだ?


北の地について、僕ちゃん達はもう既に四天王の一人デルタの攻略にあたっていた。


僕ちゃんの予想では此処につく前に連絡が来て聖都に呼ばれる。


そう思っていた。



北の地についてそのまま、デルタが住むという古城に向った。


最初の攻略に此処を選んだのは、連絡がつきにくいからだ。



拠点に出来る街はおろか村も無い。


魔族の四天王が近くに住んで、場所と重要でない。


それなら人が近づかないのは当たり前の事だ。



「それじゃルシオラやユシーラはこの辺りで休んでいて」


そう言いながら僕ちゃんは収納袋からコテージを取り出した。


お金は幾らでもあるのだからと、リアスの街から此処に来るまでの間に目にした収納袋で一番大きい物を買った。


そこに、コテージを作らせて収納している。


昔なら考えられない事だが、世界を救うのだから、これ位当たり前だ。



まぁ、この収納袋を手放す話の時に商会はかなり抵抗したが、


「だったら、シェワード商会が魔王討伐に非協力だったと教皇他、各国の王に伝える」と言ったら譲ってくれた。



僕ちゃんは言いたい、代わりに魔王を倒すんだから、必要な物は何でも差し出せ、本当にそう言いたい。



セトと一緒に初めて戦いに出る時に言われたけど「貴方達は希望の光なのです」なんて言っていた。


希望の光なら、輝かす為に支援するのは当たり前だと僕ちゃん思うな?



「あの、休んでいてって私は行かないで良いのですか?」


「それなら私だって」



「いいよー..戦うのは僕ちゃんの役目、2人は僕ちゃんの癒しだから、傍に居てくれるだけで良いんだ、此処からは危ないから僕ちゃん1人で行ってくる」




「あのですね、私は聖女なのですよ? 貴方を癒すのは私の仕事です」


「私だって賢者..」




「その前に君達は妻だから僕ちゃんが守るのは当たり前の事、だから待っててね! サクッと倒して帰ってくるからさ」



「そう、解ったわ」


「行ってらっしゃい」











「あのさぁ、私達これで良いのかな?」


「もう諦めた方が良いよ..聖女や賢者じゃなくて他の事を頑張れば良いんじゃない」



「多分、歴史上一番過保護な勇者です」


「そうね、戦わないで良いよ、何て聖女と賢者に言う勇者は居ないよね」



「それはそれで寂しいのですが」


「確かに」



「ですが、これが女の子という扱いなのでしょうね」


「そう言う事だよ..」




「聖女で無くて女の子、その扱いが嬉しいと思ってしまうのは何故でしょうか?」


「女なら、皆そうだって...まぁこれから、普通の男女交際を楽しめば良いんじゃない?」




「ですが、私は料理に掃除、家事が全然出来ません」


「あはははは、私もだね」



「これは女の子としても不味いのでは無いでしょうか?」


「それはボチボチとやっていけば良いと思う」





その日の夜遅く、ソードは帰ってきた。


「ただいま」



「「お帰りなさい」」



「ふぅ疲れた!」



「それで、どうでしたか? 調査の結果は!」



「何とか狩れたよ..ほら」



僕ちゃんは収納袋からデルタの首を取り出した。



「えっ! もう倒されたのですか?」


「首です..ね」




「うん、此奴じたいは大したことは無かったけどアンデッドを沢山使うから少してこずったかな?」



四天王を大した事無い..多分それセトと三人掛かりで倒せないと言われていたんだけどな?


私達が弱いんじゃないよ、凄いのはソードだし。



「そう、おつかれ、シチューに挑戦したんだけど」


「まぁ初めてだから、それなりなんだけど」



デルタよりも、この黒いシチューの方が僕ちゃんには強敵だった。




しかし、聖都は無事なのだろうか?


丁度、デルタも思ったより簡単に倒せたからこれからリアスの街に寄ってから聖都に行って見るか。



「どうしたの? 手が止まっているけど」


「ちょっと疲れたみたい」



「そう、それじゃ私が癒してあげるから、それから食べれば良いわ」



このシチューはどうしても食べなくちゃいけないみたいだ。







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