第12話 剣聖、ギルドに査定を出す

早速。冒険者ギルドに行った。


ギルドカードの口座にお金を入れないと馬車のお金の請求が来た時に困る。



「ソード様、もしかして早速依頼に取り掛かって頂けたのですか?」


「うん、こなして来たよ」


「それでは、討伐の証明になる物と素材をお願いします」


「此処で出すの?」


「お願い致します」


僕は素材を全部出した。


袋の中の素材でギルドが埋め尽くされていく。


「ちょっと待って下さい、待って下さいってば」


「これで全部だよ」


カウンターから始まって、酒場部分も含んで入口近くまでゴブリンやオークの死体で埋めつくされた。


その中にはオークキングやゴブリンキング、そして盗賊まである。


「これは」



「うん、ゴブリンの洞窟の討伐、キング種ありと オークの集落、キング種含みおおよそ100以上 こっちも討伐しておいた、報酬はカードに振り込んで置いて、僕ちゃんお金が無いから急ぎでお願いね」


「ちょっと、そんな困ります」


「何が困るの? 誰も受けない塩漬けを僕ちゃんが受けた..此処にいる人は誰もやってくれなかったんだよね? だったらこの位優先しても良いんじゃない?」


「ですが、こんな大量の査定、普通に数日かかります、そんな事をしていたら他の仕事が出来なくなります」


「知らないよ..だけど君は王様より偉いのかな?」


「何を言うのですか? いきなり」


「僕ちゃん、剣聖なんだよ? 僕より偉いのは 神、勇者、聖女、賢者、そして教皇、王様だけだよ? 全部無視してやれよ!当たり前だろう」



僕ちゃん、なんて言っていたからつい、忘れていた。


此奴、いやこの方は剣聖だった。



只のSS冒険者じゃない。



「剣聖に誰も引き受けない塩漬け依頼を受けて貰った」それなら最優先にするのは当たり前だ。




「申し訳ございません、すぐに査定して口座に振り込んでおきます..ただギルマスを呼んできますので少しだけお待ちください」


私は直ぐにギルマスを呼びに走った。


「一体何が起こったんだ!」


ギルマスはギルドの惨状を見て驚いている。


驚かない訳はない、ギルドが埋め尽くされているんだから。


ギルマスが何か言おうとした。


「待って下さい! 相手は剣聖様です、王を相手にお話しするつもりでお願い致します」


これでようやく状況が解る筈です。



「剣聖様有難うございました! 直ぐに査定をさせて頂きますが、明日迄お待ちください!」



「そうだよね、僕ちゃん、塩漬けの依頼を受けたのに、優先する位当たり前だよね! それじゃ後はお願いするね!」



ソード様はそのまま笑顔で立ち去った。







「どうしましょうか..これ!」


「今日のギルドの仕事は1/5で回して、残り全員で解体して査定..間に合わない分はそのまま通常査定するしか無いだろうな...ゴブリンは兎も角、オークは食材だ、腐らせないように急ぐしかない..まぁ全員徹夜だ、あと肉屋も問屋を通して集めろ、通常より2割安く卸すから解体させてそのまま買う分を持ち帰らせろ」


「解りました」



この日ギルドは...地獄の様な忙しさに襲われた。



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