羽化前夜

 オール讀物歴史時代小説新人賞への応募が、どうにかこうにか完了しました。


 お昼に「ひいらぎ的公募戦記 https://kakuyomu.jp/works/16817330654917938054/episodes/16817330659267437485 」の方にも書いてきましたが、今回はもうほんとにギリギリでした……自分史上屈指の崖っぷち具合……。

 プロット完成時点で締切まで一週間を切っていた時は、もうほんとにどうしようかと思いましたね……。

 それでもなんとか完成させて、超絶仕事の早い有償講評者さん(プロの編集者さんと聞いています)に直前チェックをしていただきつつ、どうにか締切17分前に送信完了したのですが。


 今回の原稿、有償講評者さんからの評価が異様に高かったです。

「(プロデビュー後のために)今のうちにネタを50個作っておいていただきたいです」とまで言っていただいて、正直びっくりしましたね……。


 で、応募後にしばらく質疑応答などもしていたのですが、どうも一因として、先日来「強烈に自信がついた」ことが大きくプラスに働いているようです。

 自信ややる気は、文章にかなり表れるのだそうで。



 ……先日のカクヨムコン短編賞受賞以降、自信というか自己肯定感というか「自分はこれでいいのだ」感が、超強力に醸成されています。

 激烈な高倍率を勝ち抜いたから、というのももちろんあるのですが、それ以上に選評のひとことがとてつもなく効いています。



 具体的には「非常に美しいバディものであり、ブロマンス作品です。」と言っていただいた部分です。



 受賞作=「笑顔のベリーソース https://kakuyomu.jp/works/16816927861260911907 」をお読みになった方はお分かりかと思うのですが、ベリーソースの文章、決して美文の類ではないんですよね。一人称が「俺」の、ごくごくラフな語り口の文章です。

 ……実は、私がものを書く時の重要なポリシーのひとつに「美しく書こうとしない」というのがあります。

 言い方を変えれば「表現を飾らない」とも表せます。

 追求するのは、書こうとしているものを最も的確に示す表現であって、無駄なものを盛ってはいけない。余計なもので飾り立ててはいけない。巧く書くのでなく、伝わるように書け。

 そんな方向性でずっとやってきました。


 その「美しく書こうとしない」文章に対する、「非常に美しい」という選評は、本当に絶大な肯定でした。

 美しく書こうとしなくとも、美しいものが書けるのだと立証できたわけですから。

 これが現在、自分の中で確証として働いています。自分のやってきた方向性は正しかったのだ、と。



 その後もしばらく有償講評者さんと質疑応答していましたが、一貫して言われたのは「このまま進んでほしい」ということでした。

 現状で自分のスタイルが確立されており、良いバランスで進んでいるので、方向性を変えずに進め、と。


 なにやら現在、これまでバラバラに積んできた色々なピースが、急速に集まって組み上がって行っているような感じがあります。

 激しい勢いで、自分が変化していっているような感覚もあります。

 これまで蜜柑の木を這いながら、もそもそと葉っぱを食べていたと思ったら、いつのまにか背中に羽が形成されかけているような。


 いまは羽化前夜なんだろうな、という感じがとてもあります。

 羽が生えるのが数か月後か、数年後か、はたまた寿命の直前かまではわかりませんけども。

 それに、飛べるようになって何をするかといえば、結局は「書く」だけなので、そこは従来とまったく変わらないのでしょうけども!!


 この先に何が待っているのか、楽しみです。とても。

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