★5題目「応用範囲は広そうだったけれど」

 KAC苦闘記録・5題目です。



【5題目「筋肉」:応用範囲は広いけれど、どこまで使えるかは解剖学的知識の普及度次第……のような?】


 見た瞬間「応用範囲広そうなお題だなー」と思った「筋肉」。必ずしもマッチョ出さなくとも、できることは多いですよね。

 誰かの微笑みを「表情筋が緩む瞬間」として扱ってもいいし。

 肩こり対策で「僧帽筋をほぐす」なんてこともできるし。

 人が生きているという事象を「心筋」と結びつけても、色々可能性が広がるし。

 人間も含めた脊椎動物は筋肉の塊なので、ほんと色々考えられそうなお題でした。


 とはいえ「解剖学的知識の発達度合いで、どこまで使えるかが決まる」ネタであるのも事実。

 力こぶや肉のスジなんかは遥か古代から認識されてるでしょうが、「表情筋」や「心筋」とかは、ある程度人体の構造が判明している時代でないと使えなさそうです。


 ……とはいえ今回のシリーズは料理人の話なので、素直に「お肉の筋肉部位=スジ肉」としました。

 西洋料理に牛すじ煮込みに相当する料理があるかどうか知らなかったので、いろいろWeb検索したのですが、その際に「イタリアのトスカーナ地方に『レッソリファット』という、トマト等のソースで牛すじを煮込む料理があること」かつ「トマトソース煮込み料理は肉も魚も両方あること」が判明しました。

 ちなみに「レッソリファット」は「Lesso=茹でた肉」+「Rifatto=作り直す」で、茹でてスープを取った肉のリメイク料理、という意味だそうです(なので作中では「再利用料理」という日本語表記をあてていました)。

 ここにきてようやく、連作全体の山場を「肉と魚のダブル主菜」とするアイデアが固まりました。

 逆に言うとここまで、宴席の料理をどうするかはさっぱりノーアイデアでした……出たとこ勝負のライブ感、とってもたのしかったです(遠い目)


 そして。

「残りあと2回! オチも決まったことだし、あとはラストへ向けて締めるだけー!」

 とたかをくくっていた当時の自分は、次にどんなお題が来るかなど知る由もないのでした……。

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