第82話 王国騎士団の体験入団
サンジェルバ先生との話も終わった。翌日には王国騎士団の制服も準備した。そしてすぐに王国騎士団から呼び出しを受けた。
王国騎士団の建物に行ってみると、そこには魔法学校対抗戦で戦ってきたみんながそろっていた。
「よぅ、一年坊主。もう3年生か? 元気にしてたか?」
とガザさんがいつもの調子で話しかけてきた。
「ガザさんも王国騎士団に入ってたんですか!?」
と僕は驚きの声をあげてしまう。お堅いお仕事嫌いですみたいな人だったのに、何があったんだろうか? と思い聞いてみると
「俺も思うところあってな。まぁ、お前と戦った魔法学校対抗戦のリーダーは、ほとんど王国騎士団に入ってるぜ?」
「そうなんですか?」
「おうよ。ジルニーもな。さっきまでここにいたんだが、どこ行ったのか。お、いたいた。ジルニー、ここだ!」
と大声でジルニーさんを呼んだ。その声を聞いて眉を寄せ
「そんな大声出さずとも聞こえている」
と答えた。
「ジルニーさん、お久しぶりです。王国騎士団に入られたんですね。よろしくお願いします」
と僕も挨拶する。
「おぉ、オリタルトか。久しいな。我も王国騎士団に所属している。よろしく頼むぞ」
「はい、こちらこそ」
「まったく。ガザがこんなに浮かれているのも珍しいんだがな。何が嬉しいんだか、我には分からん」
「お前は余計なこと言わなくていいんだよ。せっかく呼んでやったのに。あっちいけ! シッシッ!」
と二人の掛け合いをみて魔法学校対抗戦を思い出し、なんだか当時が懐かしくなってしまった。
「まぁ、体験入団とはいえよろしくな」
「はい、もちろん、こちらこそ、よろしくお願いします」
と僕は返事をするのだった。
そこへ丁度、シリス先輩、カガリ先輩、グラシ先輩もやってきた。
「あ、オリタルト君! 制服似合ってるね。王国騎士団に来てくれたんだね! お姉さんは嬉しいよ!」
「あはは。お世話になります。シリス先輩、カガリ先輩、グラシ先輩も! 皆さん王国騎士団に入ったんですか?」
「そうよ。みんな王国騎士団に集まってきてるんだから! オリタルト君もぜひぜひ正式に入団してね!」
「そうなんですね。これからお世話になります。よろしくお願いします!」
「ああ、私もグラシも王国騎士団に入ったんだ。オリタルトも入ったならある意味正解だったな」
「何が正解なんです? カガリ先輩?」
と聞くとカガリ先輩は手をワタワタ振って
「いや。こっちの話だ。気にするな」
「これから団長に会いに行くんだけどオリタルト君も一緒に来る?」
「いいんですか? 僕が行っても」
「エルバラン魔法学校の面々はそれぞれ団長と顔合わせしてると思うから良いと思うよ」
と言われたのでせっかくだし王国騎士団の団長にも会ってみたい。僕も一緒に行くことにした。コンコンとノックをして
「失礼します」
とやや緊張した声でシリス先輩は扉越しに声をかけ、団長さんと思われる人から返事があってから、扉を開けて中に入る。そして僕たちを紹介してくれる。
「体験入団のオリタルト君と、今年の入団のエルバラン魔法学校のカガリさんとグラシさんです」
「ありがとう。俺が団長をしているラルタザイアだ。王国騎士団によく来てくれたな。感謝する」
と僕たちを見るラルタザイア団長。がっしりとした体格と褐色の肌、高身長、白い鎧で身を包み黒髪と栗色をした鋭い目。威圧感が半端ない。
「オリタルト君は体験入団だったな。四天王を倒した実力、聞いている。カガリ君とグラシ君も日々の訓練を怠らないことだ。活躍の場は必ずある。頑張れ!」
と僕たちの目をまっすぐ見て力強く言ってくれた。
「「「はい」」」
と自然に返事の言葉がでてきた。いい団長さんだなと思った。団長さんに挨拶を終え僕たちは部屋をでる。
部屋をでたらそこに
「シャルリエーテ様?」
がいた。なんでここにと思ったけど
「わたくしも体験入団ですの。よろしくお願いしますわね」
とにこやかに挨拶された。シャルリエーテ様もみんなもいるなら賑やかな王国騎士団になりそうだと僕は思った。
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