第55話 ヴォラス魔法学校リーダー、タービ準備編①
僕は背水の陣のことで聞いたことをメモに書いてみる。
①全員が血まみれで背水の陣の効果発動
②倒したはずの相手が復活して攻撃してくる?
③復活してきた相手は血も流しておらず攻撃力もさがっている?
④血まみれの時が一番強い?
⑤『①~④』の変化が5分以内におきる?
どうしたものだろうかと僕は考えをめぐらせるのだった。
僕は少しでも情報を得るためアルステナ先生に会いに行った。
アルステナ先生にジルニーさんに聞いたことを話したところ、
「背水の陣ね。昔の文献で読んだことはあるしタービ君のユニークスキルよね。」
うんうんとうなずく先生。背水の陣ってユニークスキルだったのかと僕は呟く。
「ヒントになるかならないかはオリタルト君次第だけど、エンチャント系の装備品に『背水』って呼ばれる一群があるのがそうよ。」
ちらっと僕を見て
「その効果は瀕死になればなるほど攻撃力が上がる、というもの……どう? 閃くものはあるかしら?」
と問いかける。
「素早さが上がるっていうエンチャント系の装備品ではないんですね?」
「そうね。そういう装備品も存在するかもしれないけれど、攻撃力があがるってエンチャント魔法らしいわよ。こんなでたらめな性能のエンチャントがついてるってもう伝説級の装備品、アーティファクトよね。」
「古代秘宝、噂のアーティファクトですか」
「古代よりもはるか昔に作られたとされる装備品。現在の魔法では作れないとんでもない伝説級の装備品。1回ルール説明の時にしたでしょ? ほぼ100%命を落とす武器が良い例ね。オリタルト君はやっぱり知ってたのね」
とにっこり笑いながら教えてくれて
「でも背水の装備品って、タービ君が背水の陣を使うまでゴミ装備だったのよね。」
とため息をつくアルステナ先生。
「わざわざ瀕死にならないと効果がないって死んだら元も子もないでしょ? 使い所がないって捨て値で売られてたのよ。」
その捨て値の時に1個でも買っておけばと悔しがるアルステナ先生。なんかアルステナ先生の人間ぽさが見れた気がして安心してしまった僕だった。
「でも魔法学校対抗戦にタービ君が出場する前に捨て値のまま市場から
僕は想像をめぐらし可能性を考える。
「えぇと、可能性の一つとしてですがタービさん率いるヴォラス魔法学校の関係者が買い占めた……?」
「そうね。私もそう考えた。」
「アーティファクトか。あとタービさんが背水の陣を使った後、倒したはずの相手が復活していたって話もあるんですけどどう思います?」
ジルニーさんから聞いたことを尋ねてみる。
「その話が本当なら無敵じゃない。いいな~先生
と冗談じゃないわよねと先生は
けど本当にこの謎を解き明かさないといけないのではないか? と真剣に僕は考えだした。
タービさんのユニークスキル、背水の陣の注意点は
①瀕死になり背水のアーティファクトで攻撃力を大幅にあげる
②倒された後も復活して攻撃してくる。
③5分くらいで効果が切れる?
初めから砦に
それに砦を強化する時間も稼げない。戦闘の流れを予想すると砦の壁を壊されてから背水の陣を使われると負けが確定してしまうんじゃないだろうか。
背水の陣に対策していることを気づかせないためにも、いつも通り戦うことが重要ではないかと思った。背水の陣を発動させるように追い込んで早めに使わせる。
素早さは背水の陣とエンチャント系の装備品では上がらないらしく攻撃力のみが強化される。攻撃を受けるとワンパンで戦闘不能になることもありえるらしいので注意が必要って感じかな。
短期決戦を望んでいるのか数名に旗を守らせ、他のメンバー全員で特攻し団子状態で攻めてくる?
できればワンパンで倒せるときにタービさんを倒せれば勝利確定できるけど、今まで戦ってきた人たちが、それをできなかったって考えるとこの線で勝てる可能性は薄そうかな。
あとは背水の陣をタービさんに使わせたらそれを確認した後、全速力で逃げて砦に
くらいかなぁ、今のところ思いつくのは。これを参考にしつつ具体的な対策案を考えるだけ考えてみるかなぁと僕は思うのだった。
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