物語が生まれる

 前の会社の話は、もうやめましょう……。下手なお喋りが熱くなって益々下手になるし、危なくて仕方ない。


 あれやこれやと書いていますが、私の本命は

「列車食堂」

https://kakuyomu.jp/works/16816700429063424924

 母方の祖父をモデルにした、私のルーツにまつわる物語です。

 祖父の戦前の経歴ついて不明な点が多く、食堂車と戦争、殿下のモデルである朝香宮正彦→音羽正彦侯爵を物語の軸に据えた関係で、少ない情報から得た祖父の実像と主人公のハチクマとでは、だいぶ異なります。知られたら母に怒られます。


 これを公募に出して、落ちました。


 現状でもそうですが……

・冒頭が長い

・説明が多い

・主人公がなかなか出てこない

と、公募の禁忌とされる問題を抱えていました。


 知っていました。が、何故禁忌かと言えば読者を感情移入させるのが難しいから、下読みで弾くそうなのです。

 難しいからやるな、などくだらない。

 だが、知っていながら意固地になって、問題を放置するわけにもいかない。


 この解決のため、習作として書いたのが

「稲荷狐となまくら侍 -明治あやかし捕物帳-」https://kakuyomu.jp/works/16816452220615168066

 オムニバスなら毎回冒頭、歴史が絡めば説明は必須、練習にはもってこい! と書いているうちに、面白くなってしまいました。


 そうなれば、色んな方に読んで頂きたいもの。RT読みます企画、朗読配信などに出したところ概ね好評。本当にありがたかった……。

 が、同時に

「起伏がない」

「変態巫女がいらない」

「ラスボスはよ」

「コンコとリュウがイチャイチャするだけ」

といったご意見も頂きました。

 思いつく限りアイデアを出して改稿するつもりで評価をお願いしましたが、まあ悔しかった。


 的を得たご意見を反映させて生まれたのが

「稲荷狐となまくら侍 -明治あやかし捕物帖-」

https://kakuyomu.jp/works/16816700429108467966

 副題の最後の1字が違います(帳→帖)。

 巫女さんを真人間にしました。

 ラスボスを早めに登場させるため、物語の順序を組み替えました。

 以上の関連として、脈絡をつけ直しました。

 コンコとリュウは、相変わらずイチャイチャしています。


 この経験を反映させて「列車食堂」を改稿し、再び公募に出しました。


 しかし「稲荷狐」で消化不良を起こしたテーマがあります。

 クライマックス直前の「東の魔女が死んだ」という、魔女狩りの魔女を描いたエピソードがあるのですが、これをもっと掘り下げたい。

 そんな折、PS2のGT4というドライビングシミュレーションゲームを引っ張り出して、久々にプレイしていました。

 夢のハイパワーマシンを走らせたら、まぁ暴れ狂って操れない……。※ちなみに私は無免です。


 自身にも制御出来ないほど強い魔法……。

 ならば面倒を見て、迷惑をこうむる人がいる。世話役は、親より第三者の方がいい。しかも魔女に恨みを抱いていることに葛藤している。

 それには魔女を天涯孤独の子供にして、最強になったのは魔王の血を引くからで……。


 こねこねこね……。


 こうして生まれたのが「魔女の育て方」です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860521192630

 名作「サルビアの育て方」をパクッたみたいなタイトルは、何とからなんか……と思っていますが……。


 他、ご飯を作って思いついたホラー

「整列」

https://kakuyomu.jp/works/16816452219375167959


「あわてんぼうのサンタクロース」の歌詞に着想を得た

「孤児院」

https://kakuyomu.jp/works/16816452219987214505


 異世界ジャガイモ問題解消のために書いた

「臨時高速貨物列車異世界行き」

https://kakuyomu.jp/works/16816927862417235806


 などなど……物語のヒントは身近なところや、物語に隠されています。

 思いつきで書いて、書きたかったものが書けずエタッた話もありますが……。


 話は「列車食堂」に戻ります。

 再び公募に落ちて公開に至りましたが、戦前の食堂車を舞台にしたので、書きたくても書けない部分が発生してしまいました。


 これが着想のヒントになり、新作に取り組むことになったのです。


 抜け出せない執筆スパイラルにはまっています。

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