第2話 遺書(2)

 私が死んだら、あなたは悲しんでくれますか?泣いてくれますか?私は、あなただけに振り向いて欲しかった。

 あなたとは、小中高って一緒だったね。あの頃は楽しかったね。いっつもバカ話して、いっぱい友達もいて。

 付き合ったのは高校3年間だったね。あの時の、幸せな時間には、もう戻れないのかな?タイムマシーンがあったら、高校生に戻りたい。過去を変えて、未来が消滅するとしても、あの日、ケンカした時に戻って、謝りたい。

 高校を卒業して、初めての仕事はデリヘルだった。私は、あなたが知らない程、沢山の男と寝たわ。

 でもね、感じた事なんて一度も無かったの。結局、娼婦になったのはあなたへの当てつけだったの。

 あの時、私が、カミングアウトしたとき、止めて欲しかった。私だけを見て欲しかった。私だけを抱いて欲しかった。私だけにキスしてほしかった。私とだけsexしてほしかった。

 でも、あなたは、娼婦である私を軽蔑した。あなたには、彼女がいた。私は、あなたが隣にいない世界なんて、生きている意味がないの。もし、世界が最後の日になったとしても、あなたが生きていてくれたら、私は生きる希望は捨てない事でしょう。

 あなたにとって、私は生きている価値はないかも知れない。

 でもね、私がこれまで生きて来れたのは、あなたという存在があったからだよ。


 でも、もうダメなの。あなたの存在は私から離れ過ぎたの。

 

 今まで、ありがとう。

 さようなら。

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