第26話 神社の狐(後編)


 私と怜奈が百歳神社の方に向かっていると、百歳神社の方から、大きな音が聞こえてきた。これは大変かもしれないと思い、怜奈と急いで向かった。


 そしたら、百歳神社にいたあの子が近くにいた男性数人と喧嘩になっていた。



(???)「ここは、お母さんとお父さんが守ってきた神社だもん!取り壊さないで!」


(男性A)「はぁ?ここまで来て何言ってんの?俺たちはここを使いたいんだよ!」


(男性B)「こんな、いるかも分からない神様を祀る神社なんかいらねぇんだよ!」


(男性C)「それとも、あれか?お前が親の借金を返すんか?」


(???)「お母さんとお父さんに借金があるなんて嘘だよ!あなたたちが迷惑行為するからそれを注意したら翌日に借金があるなんて嘘でしょ?!」


(怜奈)「揉めてるわね……。どっちも言い分があるみたいだけど、ルーナどうする?」


(ルーナ)「うーん……。とりあえず、私達は第三者だから、どっちの言い分が正しいか分からない私が判断するから、怜奈は結界を貼る準備しといて」


(怜奈)「了解」


(???)「このっ!いい加減にして!」


(ルーナ)「ごめん、またせたね」


(男性達)「「「誰だ!」」」


(???)「ルーナ!」


(ルーナ)「とりあえず、百歳神社をこっちがもらってもいいですか?この世界に置いとくと危険そうなので」


(男性A)「はぁ?!それまじで言ってるのか?!」


(ルーナ)「ええ。だってあなた達はここに置いておくと不利を被ってしまうのでしょう?ならば、この世界から移動すれば問題は無くなるでしょ?」


(男性B)「だからといってだな……!」


(ルーナ)「それに、鑑定したら分かったけれど、百歳神社の神様は実在する神様。それならば、あなた達の都合で神様が1人いなくなったらダメでしょう?」


(男性C)「こいつ許さねぇ!そんな勝手な事認めるか!」


(ルーナ)「あら、私もあなた達を許さないわよ。だってあなた達は、人売だもの。おおかた、この子を売ろうとしていたけれど、上手くいかなくて、強行手段をとったのでしょう」


(男性達)「「「何故それを?!」」」


(ルーナ)「教える義理はないわね!ショック!バインド!」



 私は男性達が人売だということを鑑定で分かった。そのため、気絶させる魔法である『ショック』と、一定時間拘束される魔法『バインド』を使って男達を縛りあげた。そして、百歳神社から下ろした。


 男達を百歳神社からワープを使い百歳神社から距離を離したが、戻ってきたら怜奈が結界を貼り終えていた。



(ルーナ)「お疲れ様」


(怜奈)「全く、ヒヤヒヤしたわよ!あんな事するなら、もっと早く言ってよね!」


(???)「あの……!ありがとうございました!お父さんとお母さんも喜んでいると思います」


(ルーナ)「ああ、大丈夫だよ。それでその……百歳神社もリーヴェルシュタールに移動させない?お母さんとお父さんもそっちの方が安心してくれるだろうしさ。もちろん、あなたがよければだけど」


(???)「……!いいの?」


(怜奈)「いいのよ。小さい子は遠慮なんてしなくていいの」


(ルーナ)「そうそう。だから、リーヴェルシュタールに移そう」


(???)「ありがとう……!ルーナ、ええと……?」


(怜奈)「私は怜奈よ。よろしくね」


(雫)「私はしずく。2人とも、よろしくね!」


(ルーナ、怜奈)「「よろしく」」



 こうして、雫と百歳神社がリーヴェルシュタールの仲間になった。そして、あの人売達はどこに置いたかと言うと……。



(人売A)「くっそ……。妙な魔法をくらったせいで、あのガキが売れなかった!」


(人売B)「これであのガキが俺たちの知らない場所であの女たちと取引していたらどうする?」


(人売C)「まあ、でもあのガキは確かに高く売れそうだったが、他のガキを探して売るしか無いぞ。幸い、まだあのガキは売り手が着いていなかったんだ。今度こそ……」


(衛兵)「お前ら、人売だったのか?」


(人売達)「「「え……?」」」


(衛兵)「牢屋に連れて行くから、大人しくしろ!余罪も徹底的に調べてやる!」



 ……衛兵の前に置いてきたから、アホみたいに自分の罪を話さなければ、バレないと思う。まあ、ショックの副作用は、自白薬みたいな効果だから、相当無口な人じゃないと、喋るんだけどね(笑)。

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異世界リーヴェルシュタールの管理人〜神様から異世界もらって仲間がどんどん増えます〜 月桜 兎 @784136

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