第24話 神社の狐(前編)
私がリーヴェルシュタールでも別の世界の通貨システムを導入するべきと考えていたある日。私はリーヴェルシュタールではない世界に行った所、古びた赤い門が特徴的な建物を見かけた。その建物には結界が張ってあったが、微弱な結界だった。結界として機能しないだろう。そう思い、赤い門をくぐった。赤い門をくぐれてしまったため、やっぱり結界として機能していないようだ。
(???)「!あなたは、だあれ?」
(ルーナ)「私はルーナ。ここの結界弱くない?」
赤い門をくぐったら、人型亜種族の女の子がいた。女の子は、ボロボロの布きれ1枚を羽織っていた。
(???)「結界?」
(ルーナ)「あの入口の赤い門に結界張ってあるでしょう?あれは補強した方がいいわよ、じゃないと悪い人が入ってくるんじゃないの?」
(???)「結界ってどうやって張ればいいの?」
(ルーナ)「え?お父さんか、お母さんが結界を張り直してたの?」
(???)「う、うん。家の事はお父さんとお母さんがやってたから」
(ルーナ)「じゃあ、お父さんとお母さんに言えばいいんじゃない?」
(???)「お父さんとお母さんはもう帰ってこないの。……殺されたから」
(ルーナ)「っ!?そうだったのね……。ごめんなさい、軽い気持ちで言ってしまって」
(???)「私はこの家以外に行くあても無いから、ここで生活しているけれど、いつまたお父さんとお母さんを殺したやつが来るか分からないの」
(ルーナ)「……。あなた、私の管理している世界に来ない?」
(???)「え?」
(ルーナ)「もちろん、この建物から離れたくないなら、それでもいいけれど、その場合、私が定期的に来るわよ。あなた、ここにいたら、いついなくなるかわかったもんじゃないわ」
(???)「い、いいの?」
(ルーナ)「もちろん!」
(???)「じゃあ、ルーナの管理している世界に行く」
(ルーナ)「決まりね。じゃあ、まずは、この門の結界を強めるか。ただし、あなたが帰ってくるまで、あなた以外入ってこられないけれど」
(???)「ありがとう!それでいいよ!」
私は、リーヴェルシュタールに戻ることにしたが、この時離れるべきではなかったと、後になって思った。
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