第23話 月兎の帰郷


カリンと戦闘してから3日後。突然月兎ゲツトが話しかけてきた。



(月兎ゲツト)「そういえば、僕一旦、フルの星に帰っていいですか?みんなにロケット壊した事を伝えないと」


(ルーナ)「え?他のみんなはロケットがあるって分かってたの?」


(月兎)「それはそうですよ。僕達は第六感が優れているので、みんな気がついたと思いますよ」


(ルーナ)「じゃあ、なんで月兎ゲツトだけでロケット壊そうとしていたの?」


(月兎)「それは、僕が嫌われていたから、押し付けられたんですよ」


(ルーナ)「そういう事なの?」


(月兎)「そうです」


(ルーナ)「そういう事なら、帰って大丈夫だけど……。お願いがあるの」


(月兎)「お願いって何ですか?」


(ルーナ)「私達をフルの星に連れてってほしいな」


(月兎)「大丈夫だと思いますけど、何でまたフルの星に興味が?」


(ルーナ)「住めるかなって……」


(月兎)「旅行程度ならいいですが、住むのはおすすめしないです。ナワバリ意識が強い先住民がいるので」


(ルーナ)「それもそうか」


(月兎)「旅行したいと言う事なら、伝えますよ」


(ルーナ)「ありがとう」



私は旅行が楽しみになった。しかし、月兎の方は浮かない顔をしている気がする。私はその原因が分からないまま、旅行当日を迎えた。



(月兎)「皆さん、ここに攻めてくる人はもういません。ここで暮らしても大丈夫です」


(星月兎族A)「月兎、ありがとう!」


(星月兎族B)「わしらの代わりを務めてくれて助かった。それで、そちらは……?」


(月兎)「一緒に攻めてくる人を撃退した人達」


(星月兎族A)「ああ、旅行に来ると言っていた方達か!ようこそ、フルの星へ!」


(月兎)「じゃあ、案内するから、みんなこっち来て」


(ルーナ)「ええ」



私は違和感を感じた。月兎はそこまで嫌われていないのに、なぜ1人でロケットを破壊しようとしたのだろうか。私が不思議に思っていた所、案内がはじまった。


そして、楽しい旅行を過ごしている時、一匹の子うさぎがやってきた。



(???)「あんたが、ルーナ?」


(ルーナ)「ええ、そうだけど……。あなたはどなた?」


(???)「私はムーンよ。月兎は無事にロケット壊したの?」


(ルーナ)「まあそれはそうだけど……。もしかして、あなたが月兎を嫌ってロケットを壊す事をお願いした星月兎族?」


(ムーン)「違うわよ!確かに、月兎が嫌いな奴はいるけど、私じゃないわよ!」


(ルーナ)「なるほどね」


(ムーン)「そもそもとして、私が嫌っていたら、月兎が無事かどうか、聞かないでしょ」


(ルーナ)「た、確かに」


(ムーン)「それで、今月兎はどこに住んでるのよ?」


(ルーナ)「……ストーカー?」


(ムーン)「家族よ!姉なの!今、訳ありでこの姿なだけ!」


(ルーナ)「じゃあ、月兎に聞けばいいじゃない?何で私に聞くの?」


(ムーン)「月兎には知られたくない……」


(ルーナ)「わかったけど、月兎を怖がらせるような真似したら追い出すからね」


(ムーン)「!あなたが世界の管理人なの?」


(ルーナ)「そうだよ。リーヴェルシュタールの管理人」


(ムーン)「よろしくお願いします」


(ルーナ)「よろしくね」



旅行が終わった後、私は住民を1人連れ帰ったのだった。

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