第21話 ルーナの教室2


(ルー)「ルーナ、この前は疑問点を聞いてくれて助かったガウ。また聞きたい事があるから、聞いてほしいガウ」


(ルーナ)「わかったわ。それじゃあ、今日は神様について勉強しましょう」



 数分後。私達は、勉強を始める事にした。



(シア)「ちょっと待ってよ。なんで私達まで勉強会に参加しないといけないのよ」


(ルーナ)「何か用事があったの?」


(シア)「それはもちろん、現世のお菓子食べ比べよ。ダラダラしながらお菓子食べ比べ……。最高に堕落した気分よ」


(ノーア)「お姉様。それは用事じゃないですよ。後、天使なのに堕落希望っておかしくないですか?」


(シア)「別にいいじゃない。天使も悪魔も堕落って事実上ないんだし」


(ルー)「どういう事ガウ?」


(ノーア)「私達天使族と悪魔族は、どちらも神に仕える種族です。そのため、天使族悪魔族共に絶対破ってはいけないルールが決まっています」


(ルー)「ガウ」


(ノーア)「そのルールを破った天使族は半天使族、悪魔族は半悪魔族と呼ばれて、体にも変化が起きます。その変化が起こるのは、罪を犯した天使族、悪魔族だけではなく、子供がいたら、子供も罰を受けます。ちなみに、伴侶は影響を受けません」


(ルー)「なるほどガウ。なんで子供も罰を受ける事になったガウ?」


(シア)「それはね、天使族も悪魔族も『自分だけなら別にいいや☆誰に迷惑かけるでもないし☆』ってやつが多かったから、新たに制限が設けられたって話よ。まぁ確かに、天使族も悪魔族も自分だけならって考えるやつは多いけれど、仲間が絡むと途端に責任感芽生えるからなぁ」


(ルー)「なるほどガウ。天使族だけじゃないのも理由があるガウ?」


(シア)「だって、天使族だけ堕落してったら天国の人員がどんどん足りなくなるから。一応天人って種族も天国にいるけれど、地獄の鬼と違って働かないかな。まぁ、天人は天人で私達天使族のケアをするのが一番の仕事だから、こっち手伝わないのも納得だけどね」


(ルー)「なるほどガウ」


(ルーナ)「そういえば、レオンの最後の戦闘で羽が生えて角が出てたけれど、あれってもしかして?」


(ノーア)「おそらく、半悪魔族かと。普段は人になりすます人型亜種族が多いのでなりすましていたのでしょう」


(ルーナ)「なるほどね。ところで、教えてもらうこと自体は大丈夫なの?」


(シア)「教える事……。神については秘匿情報だからあまりないかなー。代わりに、災厄の宝石箱について話すよ」


(ルー)「災厄の宝石箱って何ガウ?」


(ルーナ)「あれって、おとぎ話でしょ?小さい子が読む本。教える事なんてないんじゃない?」


(ノーア)「じゃあルーナ、おとぎ話を言ってみて?」


(ルーナ)「要約すると、好奇心の強い女の子が誰も知らなかった神殿を見つけて、中にあった箱を開けたために災厄と呼ばれる者達が解き放たれてしまった。そのため、勇者達が集って災厄を打ち破った。そういうお話だったはず」


(ノーア)「うん。概ね、それであっているわよ。ただ、それはおとぎ話じゃなくて、現実にあった話よ」


(ルーナ)「へっ?」


(シア)「元々、災厄と呼ばれていた人型亜種族達は、とある神の実験体になったの。それも無理やりに近しい形でね。結局、災厄達は全員失敗という結果になったみたい」


(ノーア)「その結果、力をつけた災厄達を封印していた。誰にも分からないように何重にも神の結界を張ったのよ。しかし、神の結界を破れる子供が好奇心旺盛だったせいで、色々な所に旅をしたのよ」


(シア)「それで神の結界は崩れて災厄時代が訪れたと言われている。でも、災厄達は、決して悪い事をした訳では無い。いや、遺族にとっては悪い出来事かな?犯罪を犯した人を矯正したり殺したりしていたから」


(ノーア)「それで、周りの悪い人たちの間で災厄はやばいという噂が広まりました。そのため、災厄の時代を終わらせようと奮闘しました。それが勇者達の役割ですね」


(ルーナ)「そんな……」


(シア)「まぁ、完全に収束されたのが1500年前とか言われていたから、完全に分からなくてもおかしくないよ」


(ルーナ)「でも、それは災厄側が可哀想だと思うよ。ほぼ何もしていないじゃん」


(シア)「そうだよな。それは思った」



 こうして、第2回の勉強会も終わったけれどなんだかやりきれない気持ちになってくる。

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