第16話 レオンとの最終決戦(前)


(ルーナ)「何か来る」


(全員)「?」



 雪華セツカをリーヴェルシュタールに迎えて3日。レオンの件について会議をしていた。しかし、私の発言で会議は中止した。



(ルーナ)「多分、敵が来るよ。備えないと」


(ルー)「あっ、確かに変な匂いと音がするガウ」


(月兎ゲツト)「確かにルーの言う通りだね。て言うか、この匂いってレオンの匂いじゃない?」


(ルー)「そうガウね」


(くるる)「私たちはわかっていないけれど、なんでわかるの?やっぱり、獣人だから?」


(怜奈れいな)「私も分からないわ」


(レイ)「どちらにしろ、戦いに備えるとするか。多分、戦う事になる」


(ルーナ)「レイの言う通りだね。美海みうちゃん以外は戦闘準備。美海ちゃんは、どっかに隠れてて」


(美海みう)「はーい」



 私たちは急いで戦闘準備を終え、外に出た。


 案の定、飛んできたのはレオンだった。



(レオン)「お前達は何がなんでも俺が倒す」


(雪人セツト)「お前も妹がいるんだろ?だったら……」


(ルーナ)「雪人セツト、あれはもう説得だけでは無理。完全に洗脳に飲まれて自我を保っていない。浄化系統のパシファティがないとダメ」



 レオンとの戦闘が始まりたくない雪人は戦闘を避けるために説得しようとしていた。


 しかし、今の彼は前とは違い、話をまともに聞けなさそうだった。そのせいで、レオンに戦闘が始まったと思われた。



(ルーナ)「っ!来るよ!」


(全員)「分かった!」



 そして、私たちは戦闘態勢になった。それからルーが、『月の大剣』を出して、剣を魔力でさらに大きくしてから、レオンに切りつけた。


 それから、レオンが吹っ飛ばされて、飛ばされた先に怜奈がレオンの周りに結界を張った。そのすきに、文恵が毒霧を噴霧した。


 結界は、余程のことでは壊れないため、この戦法は戦いを有利に進めると同時に、えげつない攻撃方法でもあった。


 その攻撃が始まってから数分後、レオンがそろそろ倒れそうと言う時に、彼は急にオーラを放った。そして、体を縮こまらせたかと思ったら、勢いよく体を伸ばした。


 そしたら、パリーンと言う耳に子気味良い音が鳴ったとともに、結界が割れた。それだけではなく、レオンから見て左側の背中にボロボロの羽と、同じく左側の頭に真っ黒い大きな角が生えていた。



(零)「おいおい、まじか」


(くるる)「第2回戦って事ね」


(文恵ふみえ)「倒したと思ったのにー!」


(レオン)「かなりやるようだが、こちらも増援を呼んだぞ。苦戦するが良い」



 そのレオンが助っ人として、呼んだ相手は……



(ルーナ)「ロック?!」



 かつて、同じ師匠の元で活動していた、ロック・エスタだった。

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