第13話 月の使者


(???)「お願いしますぅ。助けてください」


(ルーナ)「昨日の今日で……」



 昨日は、すごく疲れたと言うのに、問題は間髪入れずにやってくる。何故だろう。



(ルーナ)「とりあえず、入って」


(???)「お邪魔します」



 とりあえず、兎獣人の少年を中に入れた。深みのある青色の髪色に、明るめの金色の目をしていた。


 私は、とりあえず彼に事情を聞くことにした。



(ルーナ)「具体的に何に困っているの?」


(???)「僕は、フルの星の住人です。あそこに世界を変えようと試みる敵が、送られる事を僕は察知しました」


(ルーナ)「フルの星って、もしかして月の事?確かにあそこには月兎が住んでいるってお話があるけど、迷信だと思っていた」


(???)「話を続けますね。察知した僕はフルの星に向かうロケットをみつけようとしましたが、見つからないのです」


(ルーナ)「それを見つけてほしいって事?」


(???)「そうです」


(ルーナ)「うーん……」



 正直、無理だろう。彼ですら、場所を知らないのだから。せめて、大体の場所が分かれば良いのだが。


(ルー)「話は聞かせて貰ったガウ!」


(???)「誰ですか?」


(ルーナ)「ルー、なにか策があるの?」


(ルー)「ルーナが以前戦っていたやつの匂いは覚えたガウ。その元を辿る事ができるガウ」


(???)「本当ですか!ありがとうございます」


(ルー)「いいガウ。そういえば、自己紹介をしていなかったガウ。私はルー。よろしくガウ」


(ルーナ)「私はルーナよ。よろしく」


(???)「僕は、月兎ゲツトだよ。よろしく」



 そして、私達はロケットと呼ばれる移動手段を探すことにした。しばらく他愛ない会話を私と月兎ゲツトがしていたが、ルーが見つけたようだった。


 特に見張りがいなかったので、すぐに壊して帰った。あっけなく終わってしまって、どうしようか悩んだぐらいだ。


 なお、その後の動向をレイに視察するよう頼んだが、特にロケットを再開発する予定はないようだ。


 そして、リーヴェルシュタールに新たな住人が住み始めた。臆病だけど、仲間思いの兎獣人だ。

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