第9話 みんなのパシファティ(前)
私は、みんなのパシファティについて知らないことを、今はじめて知った。
「というわけで、みんなこの水晶に手をかざして」
「何が、というわけガウ?」
「いや、みんなのパシファティ知っていたら、大怪我した時に誰が癒せるって話になるから」
「なるほどガウ」
「それはわかるんだが、なぜ俺まで?この世界の住民だけでやってくれよ」
「でも、いつ住み出すか分からないから」
「確かにな」
「ってことで、まずはルーから」
「ガウ」
ルーが水晶に触れると、文字が浮かんできた。その文字は、組み合わせると、次のように読めた。「月の武器を操りし者」月の武器とは、特殊な武器で、このパシファティを持っている人型亜種族しか使えない。
人型亜種族は、人の形をしているけれど、獣人や天使などのことを言う。人ではない種族で括られている種族の事だ。
「ルーは、月の武器を操りし者ね。じゃあ、次は、
「わかったわ」
海は、「水を操りし者」だった。まぁ、特段変ではないわね。
「薄々察してはいたけれど、精神的に来るわね」
「どんまい。次は、
「はい」
美海ちゃんは、「回復能力(極)」だった。回復能力を見つけたのは喜ばしいけれど、極は、凄く稀につく証だ。私は、つい気になって、詳細を見たくなった。もちろん美羽ちゃんにも見てもらった。
そしたら、「怪我に対する回復(極)」、「病気に対する回復(極)」、「感染症に対する回復(極)」、「死人を蘇生する(極)」が出て来た。
怪我、病気、感染症はまだ分かるけれど、死人を蘇生は無理がある。1度死んだら、人は生き返らない。と、思った所で気がついた。
パシファティは、その人の思いが具現化したモノだ。という事は、美海ちゃんは、誰か大切な人が亡くなったからその思いが強くなりすぎたのかもしれない。
何にせよ、生き返るには、条件がある。その条件を美海ちゃんに見るように言った。今回はじめてみんなのパシファティを見ているけれど、これはどうなるのか分からなくなってきた。
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