第3話 本物のヒロイン⁉︎

5月が終わり6月に入ると、学校中である噂が広がった。


それは、高山悠太に彼女ができたということ。


噂が広がったその日、私はその噂が本当なのか彼に聞こうと思ったが、勇気が出ず、聞くことができなかった。


次の日、高山くんと一緒に学校に向かっていた。最近はずっと一緒に登下校していなかったから、久しぶりで嬉しい。噂のことを聞きたかったが、怖くて聞けないでいた。

学校に向かっている途中で、こっちに向かって走ってくる足音が聞こえた。振り返ると、ひとりの女の子が高山くんをめがけて走ってくる。私たちの元に着くと彼女は高山くんに「おはよう!」と挨拶をした。彼も私が見たことのないほどの笑顔で「おはよう!」と挨拶している。彼女は肌が白くて、目がキリッとしていて、モデルのような綺麗な人だった。

「彼女の名前は木山つぼみ。彼女は僕の幼馴染みで中学でつぼみは引っ越して転校したんだけど一週間前にこっちに戻ってきて、こっちで暮らすことになったから、僕たちと同じ高校になるんだ。」そう高山くんは私に彼女を紹介した。木山さんは私に「よろしくね。」と挨拶をした。

「よろしく」と返すことが出来ず、軽く会釈をした。

私たちはそれから三人で学校に向かった。木山さんと高山くんは楽しそうに話をしていた。私はその二人の仲に入ることが出来ず、二人の後ろで歩いた。後ろから見た二人はお似合いのカップルのようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

脇役でも、あなたが好きでした。 @rinrin89

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ