第10話 大和
3人は広場に行くと、さっきよりも大勢の人が集まっていた。そして、中央の段ボールの上に、さっきのマッチョの人がいた。
「みんな、よく集まってくれた。俺は嬉しい!よく聞いてくれ。俺らは、ずっとここで暮らさなければならないんだ。だが、努力すれば必ず報われる。どうだ?俺たちで、あの悪政の極みに抗議しようぜ」
ざわついている。やはりいきなりこんなこと言われて、日本人がなんの躊躇いもなくOKするとは思えない。
「僕は協力しまぁぁす」
有島は叫びながら手を上げたが、手を上げている人がかなり少ないことに気づくと、少し躊躇った。
「いやぁだって、あの人も苦労してるんだし?ね?ね?ね??????」
結衣と麻法は有島をじっと見た。
「いやそんな見つめられても。ってかお前らも手ぇ上げろ」
2人の腕を掴んで、手を上げさせる。
「やめてよ。ってか脇見えちゃうでしょ!」
「まあ洗濯できんなら別にi「できるよできるよできるよできるよできるよできるよ」
「ほら、小学生ですら、あんなに手を上げてるんだぞ。お前ら大人だろ?まあ子供もいるけど。とにかく、これはみんなの力が必要なんだ」
「協力したいっちゃしたいけど、なんかすぐに負けそう」
「あいつら能力者だし怖いよ」
「君の勇気は十分わかった。けど、相手は強力な力を持っている。難しすぎる」
男は少し黙った。が、すぐに答えた。
「俺らは努力して勝つしかない。見ろ俺の
流石に人々も驚いた。それくらい鍛えられているのだ。
「けど俺ら何もできんぞ」
「できないなら、練習すればいい。俺の名前は
大和は家に帰った。人々は今の話を考えながら、帰宅した。3人はずっと手を上げたまま、そこに突っ立ってた。
「どうする俺ら」
「私も何もできないけど」
「麻法と僕は魔術使えるけど、結衣はなんもできないでしょ?」
「うん。私もなんかやんなきゃいけないの?」
「そういうことになる。ってかいつ
疑問に思いながらも、倉庫に帰る。広場には誰もいなくなった。いや、1人だけいた。
「今の声、もしかして」
栩義だ。彼もここに連れてこられたのだ。
「有島じゃね?」
栩義は康太と共に、スラムを彷徨っていたようだ。
「康太、今の声有島だよな?」
コクンと康太は頷いた。
「行ってみよう」
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