第7話 洗濯しない選択

「………?ん?」

ざわつく声が聞こえ、麻法は起きた。周りを見渡すと、どうやらスラムのようだ。

「…マジかよ。なんで…」

彼はとりあえずスラムをあてもなく歩き始めた。

「おーい、麻法!」

「ん?」

聞き覚えがある声が。麻法は声が聞こえる方を向くと、有島がいた。

「こっちこい」

「え⁉︎」

有島はトタンでできた倉庫のような場所に案内した。

「なんだここ」

「家。一応スラムではかなり広いほうらしいけど」

「これが?まさか。ってかなんで俺らはスラムにいんのさ」

「能力者がここで暮らせってな。このスラムにいる人全員無能力者なんだよ」

「まあそんな気はした」

「麻法公開処刑されるかもしれなかったんだぞ。高島がね、なんか飽きたらしくてやめたらしいけど。あいつも能力者だしなぁ。打撃の威力強化とかいう、ちょっと地味な能力だけど」

「あいつも敵になったのか」

「入れ。話は中でしよう?」

中は倉庫程度の広さで、古いテレビ、電球、ソファと机が置いてあるだけだった。

「マジか」

「高島はねぇ、もしかすると洗脳されてるんじゃないかと思ってるんですねー」

「洗濯機!!!!!!」

「え⁉︎」

「洗濯機が!!!!!!無ァァァァァァァァァァァァァァァい!!!!!!」

麻法が突然叫んだ。

「洗濯できねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。洗濯するという選択がないのかここには!!!!!!」

「洗濯っ、まあ確かにn「洗濯してぇ洗濯してぇ!!!!!!洗剤ぶっかけたい!!!!あなたは洗濯できない人生に耐えられますか?

「本当にそれ洗濯か?」

「ならばどうするぅぅぅ?知れたことをぉぉぉぉぉぉ。我が汗と涙とよだれを洗剤の代わりn」

「はいもう何も言わないようにしましょうねー」

有島は彼の顔の前で手を振って話をやめさせた。

「とりあえず、これから先どうしようかな?」

「俺は洗濯できればなんでも良い!」

「洗濯中毒の方はお呼びではありません。とりま、同級生を探さなきゃな。今お前しか見つけてないし」

「えっとお?命と康太くんと、結衣と、栩義、何凸守、こんぐらいか?」

「他にもいんだろ多分。知らんけど」

適当すぎるこの2人でやっていけるか心配だが、そんなことどちらとも思わないだろう。

「ねえ洗濯機ここら辺がよくね?」

「その新婚みたいな言い方やめろ」

「お前物件オタクだろ?レイアウト考えるの好きじゃないの?」

「いやそういう問題じゃなくてな。そういえば、そこら辺の人たちはなんかボロっぽい紙を着てたけど、僕らはいいんかな?」

「支給されなければ俺らの責任じゃないし」

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