第4話 恒例行事

「ここは?」

結衣が目を覚ますと、見知らぬ部屋にいた。

「どこここ……あ!」

部屋の奥に、有島、栩義、命、康太、希望が倒れていた。

「有島!お前もいたの⁉︎」

「…………へ?あ、結衣。………どこここ」

「わかんない」

他にも、一般人がたくさんいる。

「何の集まりだろう?」

栩義は考察していると、突然誰かの声が聞こえた。

「お目覚めですか?おはようございます。ここがどこだか知りたいですか?」

「まず名乗ってください」

「名乗るほどの者ではありません。ここはメカラー様の城でございます」

「メカラー様?誰だそれ」

一般人たちはざわめいている。

「メカラー様を知らないのですか。無能力者って感じですね(ツボにハマる)」

「そんな面白い?(ツボにハマる)」

「お前らこんなつまらないことで笑うの?(ツボにハマる)」

「ゴッホン(笑いながら)、とにかく、メカラー様は偉大なお方です!」

謎の声はまだ話し続ける。

「これから、これから先、恒例行事もなるであろう事を行います」

「は?」

「なんの?」

「俺が1番嫌いな言葉だ」

「一体何をされれば良いんでしょうか!!!!!!」

「カンタンなお話ですよ。この部屋にいる人はみんな無能力者、つまりは能力を使うことができない人たちなんです。そんな人たち、生きる価値ありません。なので、これから能力者様にやられてもらいます」

「え?」

「それでは、皆さんどうぞ!」

突然壁が消えたと思うと、下半身がヘビのようになっている女性、目が4つある男性、翼が生えた男性が現れた。

「………」

「ゴクン」

突然3人のうちの1人が叫んだ。

「さあ、始めようじゃないか」

「楽しもうぜ?無能力者たちよ」

「え?」

翼が生えた男性の周りに、電気の球が出現した。

「避けてみなよ?」

電気の球は、ビームを出した。

「ヒャぁ」

「な、なんだ⁉︎」

「うわぁ!!!!!!??????」

ヘビの女性は、ビームや人が飛び交う中を掻い潜りながら、無能力者たちを引っ掻いた。

「毒だわよ………」

「ハァ?……ゔゔっっっっっっ⁉︎」

バタン

「やばいって」

「みんな!『不可視バリア』に入って」

栩義は、手先が器用で、先祖が発明家だからなのか、機械遠作るのが得意だった。栩義は吸盤を地面につけた。すると、吸盤を囲むようにバリアが貼られた。

「皆さんかの中に入ってください!」

「え⁉︎あ、はい」

「この中に入るとどうなるの?」

「敵からの攻撃から身を守れるんだ。さらに、この中に入った生物はみんな見えなくなる」

「なんかすごそう」

「すごそうじゃない、すごいです」

「すみませんでした」

「おやおや、みんなどこ行ったんだい?」

「消えた?能力か⁉︎いやまさか」

「帰ろうぜ、誰も殺さなかったけど、まあなんとかなんだろ」

「戦果無しで帰るの、それでも幹部かよ笑笑笑笑」

「黙っときゃ、バレねぇさ」

と言って、5人はKと書かれたベルトのボタンを押した。その瞬間、消えてしまった。

「消えた⁉︎」

「瞬間移動だと思います」

「とにかく、誰も犠牲にならなくて良かった」

「あいつら何者⁉︎」

「てかどうやって帰るの?」

「アイス食いてえ」

有島は、思い出した。

「あ、もしかすると、魔法で帰れるかも」

有島は魔術の塾に通っているため、ある程度魔術が使えるのだ。ちなみに魔術は無能力者のためのもの。

「魔法ちゃう。魔術や」

「瞬間移動の魔法があるぞうあるぞうあるぞう。みんな掴まって、掴まんないと一緒に瞬間移動できないから」

「ふう、これで帰れるなら、もういいや」

急な出来事に、みんな驚きを隠せなかった。

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