第2話 悲鳴
「やっぱ革シートでしょ。高級感あって、ホコリも溜まりにくいんだよ?」
「けど汚れつきやすいし、値段が高くなりやすいじゃん」
「そんぐらいわかってるよ」
「布シートなら、安価で丈夫。多湿な日本では、通気性が良いのも大きなメリットでしょ?」
「けど!ホコリやニオイがが気になるでしょ⁉︎」
「そんぐらいわかってるよ」
「あ、でも本革と見分けがつかない人工皮革とかも使われてるんだっけ?」
「そういえばそんな話あったなぁ」
結衣が思い出したように言った。
「有島家が車売ろうとしてるらしいよ」
「マジ?制止しに行くぞ」
そんな会話をしていると、突然結衣の悲鳴が聞こえた。
「うわぁびっくりした!!!!!!どうしたどうした?」
ズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュンズギュン
聞き慣れない音が聞こえる。
「何があった!結衣、おい結衣!」
「キャア!!!!!!!!!!!!」
「おい聞こえるなら返事しろ!1番ダメなのは、返事しないこと!」
そのあと、しばらく無音だった。
「……………」
高島は電話を切り、
「電話するか」
高島は電話をかけた。しかし、何度やってもつながらない。
「えー………………」
高島は
「何でお前に限って………」
「なんか悪い?とにかく、私の声聞いたんだから、はい一万円ちょうだい」
「いつもの悪商売に付き合ってる暇は今日はないんだよ。突然結衣が誰かに襲われたんだよ!電話越しに悲鳴が聞こえたんだよ。信じてよ!!!!!!なんなら今ここで結衣に電話かけてもいいんだぞ⁉︎頼む信じて…………」
「(私まだ信じないなんて言ってない)まあ、結衣可愛いから襲われることもしょうがないよ(笑)」
「お前笑ってんだろ?こっちはね、本気で話してんの!!!!!!」
「わかってるよ。さっき結衣にLINE送ったけど、1時間たっても既読すらつかないんだよ」
高島は同志がいて安心した。
「有島や栩義もつながんなかった。あと誰だ……。
「マジ?」
「いろんな人が失踪しちゃって……、これは何か大変なことになっちゃうんじゃない?」
高島は怯えたが、安泰は特に気にせずに。
「まぁ、偶然いろんな人がLINE見なかったり、電話に出なかったりしただけじゃない?わかんないけど。まあなんとかなるでしょ」
そう言って安泰は電話を切った。
「そうかなぁ?」
若干平和ボケの高島も、流石に怯えているようだ。
「まあ1日待ってみるか」
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