第5話 新ビジネス
男は、新聞に広告を載せることを決意した。それは、
『寝たきりさん、お話ししませんか?』
というものだった。男は寝たきりになっている人とお話しをする傍ら、死神がいれば祓おうと決めたのであった。
男はネットのこの時代に新聞などで効果があるとは一切思って無かった。それでも新聞にしたのはまだ死神は本当に現れるのか確証がつかなかったからだ。そのためSNSなどにしてしまうと炎上するかもしれないと思ったのだ。早い話、男は小心者だったのだ。
しかし男の考えとは裏腹に電話がひっきりなしにかかって来た。もちろん依頼である。男は早速一件目の依頼へと出かけていった。
男は寝たきりのお婆さんと楽しくお話しをした。お婆さんは男の知らない話を多く話した。男は話を聞きつつも、足元を見ていた。死神がいたのだ。男はお婆さんの話の区切りの良いところでいきなり、
「アジャラカモクレンテケレッツのパァ!」
と叫び2回手を叩いた。お婆さんは驚いていたがすぐに、
「なんだか腰が痛く無い。あんなに痛かったのに?」
と言った。どうやら治療は成功した様だ。男はお婆さんに、
「そろそろお時間ですので…」
と別れを告げ、二軒目の依頼へと行ったのであった。
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