第4話 地元

 それから数日後、男の元に母親からメールが届いた。内容は、

「おじいちゃんが急に倒れたの。意識不明だからすぐ帰ってきて!!」

 だった。男はすぐに地元行きの電車に飛び乗った。


 地元の駅に着くと、父親が迎えに来ていた。

「父さん、久しぶり。」

 そう男が言うと、父は手を挙げて応えた。そして父が運転する車に乗って祖父がいる病院へ向かった。


 病室へ着くと、男の祖父はベットの上で横になっていた。母親は祖父のもとに座っていた。もしかしてこのまま死んでしまうかもしれない。男はそう感じていた。


 ふと、祖父のベットの足元を見ると、見知らぬ人がいた。男は父親に尋ねた。

「ねぇ、あの人ジィちゃんの知り合い?」

 すると父親は驚いた様子で、

「何言っているんだ。この場には俺たち家族しかいないぞ。疲れているならお前も入院していけ。」

 と言った。どうやらその人は男以外に見えてはいないらしい。


 男は突然数日前の事を思い出していた。そしていきなり、

『アジャラカモクレンテケレッツのパァ!」と言って、手を2回叩いた。男の父親や母親は酷く驚いた顔でこちらを見ていた。が、男は祖父の足元にいる人を見つめていた。すると足元にいる人はすうっと消えていってしまった。男はその人が死神だという事が分かった。そして自分の両親に

「心配ないさ、安心して待っていようよ。」と伝えた。両親は訳がわからないという顔をしていた。


 それから男はお葬式があるかもしれないという事で、実家で数日間過ごしていた。そんな中母親が男の祖父が目を覚ましたと連絡があった。医師の診察では後遺症もなく、あと15年は生きるとも伝えられたらしい。男は死神の言っていた事が本当だったと分かった。


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