第9話 騒動の終結1 サトル目線

放課後~生徒指導室~


放課後僕達は昨日の出来事についての事で呼び出された


サトル「………….」


サユ「……ごめんね、サトル君」


一緒に生徒指導室に向かっていると、隣にいたサユに謝られる


サトル「……どうして?」


サユ「だって…….私が、いじめられなければ、こんな事にはならなかった筈でしょ?」


たしかに彼女がいじめを受けていなければきっと彼女とこうして関わっていなかっただろう…….しかし


サトル「たしかにサユがいじめを受けていなければこんな事にはならなかったかもしれない………けど」


サユ「けど?」


サトル「やったのは僕なんだ、僕の意思でサユを守ったんだ…….上から目線で悪いけど」


そもそもサユを見捨てると言う選択肢もあった、それをしなかったからこんな結末を迎えたのだ、恨むならあの時の自分を恨むべきだ彼女は関係ない


サトル「それとも、助けなかった方が良かったか?」


そうなったらきっとサユは自殺する

サユ自身は気づいていないと思うが、いじめを受けていた頃は別人の様に暗かった

元々1人だったが、周りから負のオーラが出ていて余計に近づこうと思えなくなっていた


サユ「ううん、そんなことはない」


首を振って否定する、そのあと顔を下に向ける


サユ「けど……そのせいでサトル君がこんな目に遭うなんて……やっぱり………」


自分の心配よりも相手の心配出来るなんて、普通ならできない、それほど、彼女は優しいのだろう


サトル「だから、気にするなって……だったら、これが終わったらジュース一本買ってくれ、それで終わりだ」


そう言って僕はこの平行線の話を終わらす


コンコンコン


???「どうぞ」


サトル、サユ「「失礼します」」


中に入ると既に校長先生といじめの主犯格の5人、僕とサユと主犯格の親が揃っていた

(父親は仕事上皆、来ていません)


サトル母「…………………」


サユママ「……………」


2人の目線が酷く冷たい、内容をしっかりと聞いているのなら僕だけが睨まれる筈だ……

つまり


サトル(やっぱり自分大好き人間はこうするよな)


そういない間に嘘の話をしてこちらを悪者にする方法、頭の硬い人間ほどこの作戦に嵌りやすい


サトル(見た感じ、言い訳をする余裕はないな)


取り敢えず、まずは椅子に座る


そこから真ん中にいる担任が話し始める


担任「皆んな揃ったみたいですね、では今回起きた事をもう一度話してごらん」


女子1「………はい」


そう言って彼女達が言った事は相当酷いものだった

途中途中泣きながら言うのでまとめると


1.サユに前から虐められていた

2.やめて欲しくて説得する

3.それが癪に触ったのか僕を呼ぶ

4.僕にボコボコにされる

5.親にチクる

の5つだ


後はいじめの内容と僕の暴行の内容を話していた

怖かったや、言い出す勇気がなかった等、

自分達が悲劇のヒロインかのように話していた


それを担任も僕達の親も信じているらしい

この事に矛盾がある事など、子供の僕ですらわかる、つまり


サトル(最初っから話し合うつもりはない………と言うことか)


さてと、ならこの状況を変えないとな


一通り言い終わると彼女達は泣きながら

 保護者にギュっと抱きつく


それを見ていた担任はニコニコ微笑んでいたが、僕を見るときは逆でとても冷たい


担任「それでは、サトル君」


サトル「はい」


担任「なんで呼ばれたか、これでもわかった?」


サトル「はい」


担任「じゃあ、男の子ならどうすればいいか、わかるね?」


男の子なんだからって、こんな時男も女も関係ないだろ

そんな事を思いつつ質問に答える


サトル「はい」


担任「じゃあ、彼女達に謝って」


サトル「いやです」


サトル母「……え?」


やっぱりそうなるか、こちらの言い分を全く聞かない、だから教師は嫌いなんだ


担任「はい?」


サトル「だから、いやです、断っているのです、なんで僕が謝らないといけないのですか?」


サトル母「ちょっと……サトル?」


自分が悪い事をしたのなら謝る、これは当然だ、しかし、悪い事をしていないのなら謝る意味はない


担任「だから、君は彼女達に暴力を振るったんだよね?」


サトル「はい」


担任「じゃあなんで謝らないの?」


よし、こっちのペースに入ってきた

ここからお母さん達がどう動くかで決まる


サトル「謝る意味がないからです」


サトル母「サトル!ちょっといい加減……」


相手親「いい加減にして!」バンッ


自分が謝るのを拒んでいると主犯格の親達が怒こり始めた


相手親1「お宅の息子さん!頭可笑しいんじゃないんですの!?」


相手親2「そうよ!娘達にこんな怪我を負わせたのに」


相手親3「謝る意味が無い?ふざけんなよ!」


相手親4「やっぱり慰謝料請求した方がいいわね!」


相手親5「なんて子供なの!親の教育がなってないわね!」


サトル「そっくりそのまま貴女達にお返ししますよ?」


相手親「「「「「は?」」」」」


サユ「サトル君?」


サユママ「え?………」


サトル母「サトル?」


子供のように奇声をあげる親達にブーメランを返す

するとシーンと静かになり

全員の視線がこちらに向く


サトル「そもそもこちらの言い分を全く聞かないで話を進めるからおかしいのです」


担任「サトル君、それはどう言うことかな?」


僕がそう言うと、担任が割り込む

これでこちらの言い分を言う事が出来る


サトル「そもそも、貴女達の娘さんが嘘をついているのをなんで信じるのですか?」


相手親1「嘘って何よ!」


そう言うので僕は一つ一つ丁寧に説明する


サトル「まず一つ、サユはいじめていない寧ろ逆です」


相手親2「そんな訳ないでしょ!だったらその証拠は何処にあるのよ!」


サトル「………サユ」


サユ「………うん」


そう言うと思ってサユに虐められていた証拠見せる……すると


相手親3「え?」


悍ましい程のあざの跡がくっきりと残っており、これが長い間やられていた事を証明する


しかも目立たない所をやると言ういじめ特有のあざ跡なので、これは決定的な証拠となる


サトル「そもそもサユが1人で貴女達の娘5人をいじめるってあり得るのですか?」


相手親4「それは…その……」


サトル「それに僕にやられて親に言うなら、気づかれて親に言うのと違ってサユだけの時に言えましたよね?」


相手親5「それは………相手が怖かったから………」


サトル「こんな子に?」


そう言ってサユを見る

ガタガタを震えており、それをサユママが落ち着かせている


僕の母もこれで相手が嘘をついている事に気づき僕に対する目つきが変わった

対していじめ主犯格の娘達は、終始黙っており、脂汗が酷い


サトル「僕が彼女達を殴ったのは、サユが暴行されている現場に出くわし、彼女の生命の危機を感じたからです」


嘘は言っていない、本当の事も含まれてはいないが、この場合は言わない


サトル「命の危険があり、それを脅かす人達がいて、そんな人達から守る為に仕方なくやった事が悪い事なら謝りますが?どうですか?」


完璧な言い分を言った、これで文句を言うのなら相当頭のおかしい人しかいない


担任「ええ、悪い事です」


サトル「はい?」


と思ったらいたよおい


サトル「………それはなぜですか?」


担任「女性に暴力を振るう事は悪い事だからです」


サトル「それが命の危険を感じる場面でも?」


担任「そんな大袈裟に言っていますけど、そんなことありえませんから」


サトル「ありえたから、やったのですが?」


担任「それは貴方の言い分でしょ?」


担任「貴方が暴力をやっていい理由にはなりません、そんな時はちゃんとやめてと言えばやめてくれますよ?そもそも先に手を出した方が悪いのですから、貴方が悪い」


此奴………本当にそんな事を言っているのか?


だとしたら、本当に頭がおかしいぞ


____________________________________

実は実体験を参考に書いています

なので、サトル君が賢くなってると言うより

口が上手いと思ってください


担任は実在した私の担任を書いています


とは物語上脚色は加えているので悪しからず。



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