第10話 騒動の終結2 サユ目線

空いた口が塞がらないとはこう言う事を言うのだろう、まさかサトル君がここまで喋れるなんて思いもしなかった


サユ(本当に小学生?)


そう思えてしまうほど話すのが上手い

相手の親の意見を聞いて、そこから1つずつ言葉を返して追い詰める

自分の悪かった所は認めて、その上で話す

その為ただ相手を否定するのではなく、(自分目線で)善悪を区別出来ている


………しかし、それが通じるのはその心、つまり頑固者、頭が悪い人(勉強が出来ないではなく言葉が理解できない人)などはこれが効かない


そして今サトル君はその人と話している


担任「加害者が何を言っても加害者なのです、君のように口だけ達者な者の言い分なんて誰が信じますか?」


サトル「じゃあサユの体にあるアザは?」


担任「ただ転んで怪我しただけでしょ?」


………今なんて言った?

………………転んだだけ?


担任「そもそも彼女達がそんな事をする子達じゃないのは先生よーく知っていますから」


頭の中で先程の言葉が木霊(こだま)する

自分で言うのもなんだが、あれ程のアザが転んだだけで出来るはずがない


先程から先生が何か言っているが、頭の中に入ってこない


担任「それに君のように女の子に手をあげるような人間とずっと良い子に生活をしていた子、どっちを信用すると思ってるの?」



相手親「…………………………」


サトル母「…………………………」


サユママ「…………………………」


ママもサトルママもいじめてた子の親も絶句していた


相手親なら喜ぶと思っていたが、先生の言葉に流石に引いたのだろう、先程と打って変わって同情の目に変わっていた


それはそうだあそこまで酷いアザを見て転んだだけなんて、普通なら思わない、

しかもいじめられていたと言っていた彼女達は脂汗を出しながら震えていたので、嘘だって言ってはいないがバレている


それなのに先生はずっと自分達が悪いと言ってくる


担任「そもそも、本当にいじめられていたのですか?ただふざけていた時にたまたま転んでそんなアザが出来たんでしょ?」


担任「サトル君はさぁ、ただ言い訳を良くしたいからそんな嘘をついたんでしょ?見苦しいからさぁ、正直に言いな?そんな嘘ばっかの人生なんて無駄なんだから」


サトル「……………」


あまりにも理不尽な為言い返そうと、サトル君が身構えていた時


サトル母「なる程、つまり例え友達が危険な目に遭ってもそれはただの遊びだと?」


担任「そんな事は言っていませんよ?」


サユ(いや、言ってたじゃん、なんで強気なの?)


サトル君ママが先生に話しかける

そして先程、先生が言った事を聞くとあっさりと否定する


担任「私が言ったのは、貴女の息子さんであるサトル君が暴力の正当性を話たから否定したんですよ」


サトル母「正当性?」


担任「はい、サトル君は彼女達に暴行を加えました、何にもしていない彼女達が、です」


サトル「だから、僕はサユを守ろうと………」


担任「いい加減にしろ!」バキッ


サトル母「!?」


未だに彼女達の言葉しか信じない先生にサトル君が反論しようとすると、顔を殴られる


サトル君ママは驚いている

当たり前だ、いきなり自分の息子が殴られたらそれは驚く


サトル「……………」ぽたぽた


鼻から大量の血が出ている手で抑えているがそれでも血が垂れてくる


サユママ「………先生、貴方今暴力を振るいましたね?」


サトル君の顔を見ながら睨みつけるように先生を見る


担任「はい、話が通じない馬鹿にはこれしかありませんから、これは仕方のない事です」


サユママ「暴力を振るった方が負けと言いましたが?それは?」


担任「はい、サトル君のような人間が手を出せば負けですが、私のようにちゃんと日本語で話して、何回も説明していて、それでもサトル君のように同じ事を何度も言う馬鹿にはやっていいと思っていますので、勝ちです」


小学生の私でもわかる、滅茶苦茶だ

言ってる事とやっている事が支離滅裂だ

つまりどう言う事?


サユママ「つまり、貴方が全て正しい人間だからサトル君のように間違っている人間はどんな事をしても良いと?」


担任「そんな事は言っていませんよ?私は日本語が通じない馬鹿にやっているだけなんで」


と、白々しく言う

サトル君ママは、怒りで拳を握りしめている

ママもここまで怒っている姿は見た事がない


担任「そもそもなんでこんな話になっているんですか?今回は謝罪と慰謝料の請求の場でしょ?」


サトル母「………慰謝料?」


担任「はい、いじめをしたサユさんと暴力を振るったサトル君、君達のせいで彼女達はこんなにも傷ついてしまった、病院に行けば子供だからタダだけど、それなら何しても言い訳ではない、つまり反省の色を見せる為に1人1000万ずつ払いなさい」


皆「「「はあ!?」」」


完全に頭がおかしい

さっきサトル君が私達の身の潔白(確証ではないが)を、言って相手の親も気づいているはず

なのに何でまだ私達が悪く、しかも1000万!?明らかに高すぎる


相手親1「あの、流石に多すぎでは?」


担任「何を言うのですか?大切なお子さんを傷つけたんですよ?このくらいは当然です」


流石にやばいと思ったのか、相手の親が先生に言う………が

キョトンとした顔で話す


サトル母「では、貴方が私の息子にやった怪我は?」


担任「?………払いませんよ?当然でしょ?私は馬鹿に教育しただけですから、日本語を理解しましょうね?って」


もう先生が怖くて何も言えない。怖くて体が震える


サユママ「……………」撫で撫で


ママが優しく頭を撫でる、そうすると少し落ち着く


担任「では、私はこれで失礼しますね………おっと足が滑った」ガンッ


サトル「ゴフッ」ボスッ


そうやって立ち去ろうとすると先生はわざと滑ったフリをしてサトル君を蹴る


サトル母「サトル!?」


サユママ「サトル君!?大丈夫!?」


担任「ああすいません、つい塵と間違えてうっかり蹴ってしまいました、でもこれは自業自得ですからね?」


サトル母「は?」


担任「女の子にあんな事をしたのですから、それ相応の報いが必要ですからねぇ?」


サユママ「だからと言って貴方がしていいわけではないでしょ!?」


ママ達が本気で怒る

その姿を見ても先生は涼しげな顔で言う


担任「いいことですよ?貴女達がしっかりと子供を教育しないから、私が代わりに教育してあげているんです、むしろ感謝してください」


サトル母「………絶対に許さない」


担任「まぁいいですよ、子が子なら親も親ですね、ホント、どう言う教育をしたらこんな出来損ないになるんですかね?」


サユママ「その言葉、忘れるじゃないわよ?」


担任「はいはい、めんどくさいですね、私はこれで失礼しますけど、しっかり誠心誠意

謝罪するんですよ?」


そう言って先生は部屋から出て行った


——————————————————————

相手親達「「「「「本当にすいませんでした!」」」」」


サトル母「こちらこそ娘さん達に怪我を負わせてしまって」


相手親2「良いんです、元はと言えば娘達が悪いのですから」


あの後、相手の親達は娘達に本当の事を聞き

いじめをしていた事を認める

さらにここまで酷いアザを作った分の慰謝料を払うと言ったが、こちらも顔や腹など女の子にとって大切な所に暴行を加えたので

なしになった


その後解散となったが、ママ達は何処かに行くらしく私達だけで帰ることになった


——————————————————————

実在した担任を元に書いています

暴力を振るわれた事はありませんが、こんな感じの言葉は本当に言っていました。

私がいじめを受けていた時には保身の為に

いじめはなかった事にしようとしていましたね(~_~;)


……嫌な思い出だ(^◇^;)

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