第6話 言えない サユ目線

サトル「友達と何かあった?」


サユ「な!?………なんで…….」


その言葉で私は、とても恐怖しただろう

だって彼には何も教えてはいなかった

そうなると彼は誰かが教えたか、何か雰囲気を感じたのかわからないが、私に聞くと言う事は私に何かしら関係していると思っているのか


サユ(それとも女子に聞けるのが私だけなのか)


私は彼の事を全然知らない、いつも友達と遊んでいる事ぐらいだ


サユ「……………….」


サトル「サユ?」


サトル君が心配そうにこちらを見てくる

でも………


サユ「……..知らない」


言えない、言える訳がない

だって…….だって……..


サトル「…………本当に?」


そんな事を思っていると彼が心配そうにこちらを見る


本当ならとても嬉しい事だが、今の私にとっては迷惑でしかない


サユ「うん…….本当に…….」


サトル「…….そう……か」


最近の私とサトル君は昔と違ってほとんど話さなかった、それなのに深追いした話は出来ない筈だ


サユ「……………….」


サトル「……………….」


案の定サトル君はこれ以上何も言って来ず

そのまま家まで着いた


サユ「それじゃあ、私はこれで」


そう言うと私は彼の言葉を聞かずに家に入る


サトル「……..あ」


サトル君は何か言いたそうだが、私は無視して中に入った


サトル「……………….」

——————————————————————

~サユの家~


サユ「………….ごめんね、サトル君」


1人になった所で私は涙をこぼしながら

サトル君に謝る

彼は何も悪くない、悪いのは全部私のせいだ


………….あの日サトル君の友達の告白を断ってから、クラスメイトの女子からいじめを受けている


~朝~


学校に行くのはギリギリにしている、その後その分と言わんばかりにいじめを受けるが、もう体が拒絶反応を起こしてしまうため

もう学校には憂鬱な気分になる為に行くのだ

それでも洗礼は受ける


下駄箱にはゴミがあり

時には蜚蠊(這い寄る混沌)が入っていたりする

教室には防災頭巾が椅子に敷いてあるのだが、その中に画鋲(がびょう)が入っていたりする


~行間休み~


この時間は彼女達にトイレに連れて行かれる

しかしいつも使っている所ではなく

理科室など普段皆が近寄らない所でいじめを受けている


水をかけられたり

トイレの水を飲まされたり

便器に顔をくっつけさせ舐めさしたり

腹や股間などに蹴りを入れられたり

その証拠を消す為に雑巾で体を拭かれたり


と、僅か20分でここまでやられるのだ


~昼休み~


これが最も辛い、掃除場所によってそこでも彼女達からのいじめを受ける


ゴミをかけられたり

箒で叩かれたり

トイレなら行間休みと同じ事をされる

外掃除なら昼休みに入るまで誰も人は来ないのでそこで雨の日なら顔に泥水をつけられる


そして~放課後~


いつもなら、彼女達が満足するまでやられるのだが、今日はサトル君のおかげでいじめを受けずに無事に帰る事が出来た


今日は本当に助かった、あの苦痛を味合わずに済んだのだ……………..

しかし、明日はそうはいかないだろう

きっと朝から放課後分のいじめを受けるだろう


サユ「……………..」


もう……死のうかな

そうすれば……..楽になれるかな?


サユママ「サユー?帰ってきてるのー?」


そんなネガティブな考えているとママから声がかかる


サユ「………..はい」


取り敢えず答える、ママには迷惑をかけられない、ひとまず答える


サユママ「だったら、給食セットを渡してー洗うからー」


サユ「はーい…………」


そう言って私は部屋の中に入り

ママに給食セットを渡して自分の部屋に入る


サユ「………….っ!?」ズキッ


痛みが走り、膝から倒れる

服を脱ぎ鏡を見る

そこにはとてつなく酷いアザが沢山あった


サユ「………..酷い…….アザ」


そこを触ってみると、酷い激痛走る

服からは決して見えない様にアザはできており、風呂に入る時はその痛みが染みる


サユ「……….んて」


小さな声で言いながら一筋の涙が溢れる


サユ「……….な……で」


もう嫌だ……..


サユ「なんで、なんでなんでなんでぇ………」


好きな人と付き合いたくないから断ったのに

断ったのなら、それをチャンスだと思って

そいつが告白すれば良いのに、なんで逆恨みでいじめるの?


サユ「助けて…….助けて………もう……もう…..いやぁ………」


明日学校に行きたくない、休みたい……….

明日、風邪ひかないかなぁ


——————————————————————

~翌日~


結局風邪を引けなかった

服を着て下に降りる

寝る時は服を着ていない服が擦れて痛みが出るからだ、布団は何故かそこまで痛みが走らないからだ


サユ「おはよう」


サユパパ「サユ、お前大丈夫か?」


部屋に入るとパパが心配な目でこちらを見る


サユ「うん、大丈夫だよ?」


もしかしてバレたのか!?

そう思っていたが、どうやら違う様だ


サユパパ「いや、なんか元気がないからな」


サユ「……..うん、ちょっとね」


サユパパ「何かあったのか?」


心配してくれるパパ、とても嬉しいけど、これは言えない


サユ「ううん、なんにもないよ?」


ごめんなさいパパ

そして私は席に着いてパンを食べる

サクッと音がする、香ばしい匂いが口の中に満ちる


サユパパ「…………そうか」


パパはまだ心配そうにこちらを見てくれているが、これ以上は何も言えない


サユママ「サユ」


ママが声をかけてくる


サユ「何?」


サユママ「……….本当に何かあったら、ちゃんと言ってね?ママ達はどんな事があってもママ達は味方だよ?」


と心配の目でこちらで見る

ママもパパも優しい、私の事をちゃんと見てくれている、私はこんな家族のもとに生まれて本当によかった


………でも


サユ「ママ、パパ、ありがとう」


やっぱり………言えないよ


サユ「でも、大丈夫だよ?」


そう言うとパンを口の中に運ぶ

なるべくアザがバレない様にし、食事を進める


パパもママも心配そうにしているが、それ以上は何も言わなかった


——————————————————————


サユ(学校には行きたくないけど、行かないとパパとママが心配する)


食事が終わり学校に行く準備をする

体が重い、胸が痛い、呼吸がしづらい

体が学校に行くのを拒否している


……….でも


サユ「行くしか…….ないよね」


終わるかもわからない地獄に耐え、いつか終わると信じて、今はただ耐えるしかない


サユ「じゃあ、行ってきます」


サユママ「いってらっしゃい、気をつけてね」


サユ「………..はい」


そう言って私は外に出る

これから起こる地獄に自ら足を踏み入れるのだ


そして私は来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も


その地獄に耐えてきた、時折サトル君が私の事を心配してくれてたまに一緒に帰ってくれるけど、私が言わないからサトル君ももう一回は聞いてくるけど、それ以上は言わなかった


どんどんアザが酷くなっていく

どんどん眠れなくなってくる

どんどん体が動かなくなってくる


もう嫌だもう死にたい、そんな事を常に考えるようになった


そしてある日、私がまた彼女達にいじめを受けていると


サトル「……….何をしているんだ?」


遂にサトル君にバレてしまった


女子1「え?……な!」


サトル「…………殺す」


サトル「テメーら全員!ぶっ殺してやる!」


——————————————————————


続く

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