第5話 大きな変化 サトル目線
最近クラスの様子がおかしい
なんか男の子はよそよそしいと言うか
女の子は目がおかしいと言うか
兎に角クラスの変化に僕は気づいていた
しかし、何故こうなったのかはわからない
理由もわからないし、気が付いたらこうなっていた
僕はその理由を知っている人がいるか知りたかったため、友達にクラスの違和感を聞いたが
友達「……….知らない」
の一言で終わってしまう
普段ならこんな事を言わないし、本当に知らなくても僕と同じように聞き回るはずだ
それが一言"知らない"で終わらすなんて普通なら考えられない
サトル(そうなると、彼奴はこの事に関わっているな)
そうなってしまうと友達に聞いても絶対に教えてくれない
更に友達が関連しているとなると彼の友達の中でも自分と仲の良い人に聞かないと、今回の件は教えてもらえないだろう。
そう思った僕はクラスの彼以外で親しい人に声をかける事にした
友達2「ん?違和感?」
サトル「そう」
友達2「………そうだなぁ、なんか変に感じるけど、理由は知らないなぁ」
サトル「……..そうか」
僕は友達の次に仲のいい彼に今の事を聞いてみたが、彼は今回の件は特に知らないようだ
そうなると他の人に聞くしかない、そう思った僕はいつも一緒に遊んでいる友達に聞いてみた
しかし答えは決まって
友達3「知らない」
友達4「わからないな」
友達5「ごめん」
の言葉だけで、誰も知っているわけではなかった
それを踏まえて、僕が思ったのは"この雰囲気"を作っているのは女子だ、と
多分俺たち男子は女子の異様な空気のせいでよそよそしいのだ
サトル(でも、どうやって聞こう?)
そもそも僕には女友達がいない、話すのはいつも男子で女子と話すことなんて殆どない
そうなると気軽に声かけて行くことが出来ない為、どうやって聞こうか悩む
サトル(……….あ、そう言えばいたじゃん)
がすぐに思い出す、そうこのクラスには幼稚園児時代からの幼馴染み、サユの存在を
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~数分後~
僕はサユが登校してくるのを待った
彼女が何時に登校してくるのか知らないからだ
サトル(本当に僕は彼女と全然関わっていないんだなぁ)
つくづくそう思う、よくよく考えてみたら彼女の友達関係も何もかも知らなかった
…….別にそれが普通でもあるが
しかし僕は彼女が話しかけてもすぐに終わらして遊びに行ったりしていた
そんな事をした僕に果たして彼女は話を聞いてくれるだろうか?
サトル(でも、この雰囲気の正体を知りたいし、女子の中で喋れる相手と言ったらサユしかいないしなぁ)
考えても仕方ない、兎に角彼女がクラスに来たら聞こう
ただ………..
サトル(あいつ遅いなぁ、もう朝の会始まるぞ?)
時計をチラリと見ると後数分で朝の会が始まる…..今日は休みなのか?
そう思っていたのだが、先生が来る数十秒前に来て誰にも挨拶せずに席に着いた
無事に来てくれた事に安堵した反面、彼女が来た瞬間空気が変わった事に違和感を感じた
サトル(もしかして、あいつが関係しているのか?)
しかし今は朝の会、話しかけるのは無理だ
しかもよくよく見ると女子達の目線は時折り彼女に向けていた、それは怒りを露わにした目だったり、露骨な嫌味の様な目だったりと何故気づかなかったんだ?と思えるほどだ
サトル(何があったんだ?)
それが率直な感想だった、こうなるにしても何かしらの理由がある筈だ、友達もあんな感じになっているし….友達?
サトル(そう言えばあいつ、サユに告白すると言っていたな)
その後の事は聞いていない、彼奴が自分で言ってくるのだと思っていたし
…………..次の日寝坊してその事が頭から抜けたわけではないし……….多分
取り敢えずこの空気の中で休み時間に行くのは危険だ、行間休み(2時間目と3時間目の間の少し長い休み時間)か昼休みに聞いてみよう
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~行間休み~
休み時間が20分もあるこの時間なら、彼女に話しを聞ける筈だ
そう思った僕は号令の挨拶とともに彼女の方に向かう………..が
女1「ちょっといいかしら?サユさん?」
サユ「……………」
クラスの何人かが彼女を取り囲みながら
何か話し始めた
割り込んで話しをしに行きたいが、残念ながら女子の中に入って話が出来るほどの勇気はない、今は諦めて昼休みに話しを聞きに行こう
そう思った僕はトイレに向かった
友達「……………….」
~昼休み~
給食の時間と掃除が終わり、そのまま昼休みに入る、普段ならそのまま外に出て遊びに行っていたが、今回はそう言うわけにはいかないので、箒を片付けたらそのままクラスに残る、彼女の事だ、ここで待っていれば来るだろう
そう思って自分の席に着いて彼女がクラスに待っていたが………….
サトル(……….なかなか来ないな)
彼女の行動パターンは知らないが、彼女が外で遊んでいるのを見たことがない
サトル(…………図書館か?)
そう思った僕はここにいても必ず来るとは限らないので、彼女がいそうな所に手当たり次第に行った
サトル(…….なんかストーカーみたいだな)
そんな事を考えながら、まず最初に図書館へと向かった
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~放課後~
結局昼休みに彼女がいそうな所全てを回ったが彼女はおらず、休み時間が終わる直前に帰ってきたので聞く事も出来ず、結局放課後になってしまった
サトル(こうなったら………ここで聞くしかない)
HRが終わり皆が帰り始めた時に彼女の所に向かう、友達が話しかけてきたと思うが、自分の耳には入ってこなかった
サトル「…………サユ」
ランドセルを背負って教室から出る所で声をかける
周りの雰囲気が少し変わったが、関係ない
取り敢えず彼女の返事を待つ
サユ「………何?」
酷く冷めた声、この前とは全然違う
その事に少し戸惑ったが、勇気を出して話す
サトル「あのさ………今日一緒に帰らない?」
サユ「……….!?」
今の言葉で強く反応する………どうだ?
サユ「……..いいの?」
サトル「え?」
サユ「友達と……..遊ばないの?」
確かにいきなりそんな事を言われたら戸惑うだろう、そもそも僕はいつも友達と遊ぶと言って断っていたのだ、仕方のない事だ
サトル「いや…….たまには…….さ…..いいだろ?」
我ながら情けない言い訳だ、これは小学生でも警戒される
心臓の鼓動がうるさい、この周りの時間だけがゆっくりと進んでいる
まるで永遠に感じる時間だったが
サユ「……..いいよ」
この言葉で時が戻り、鼓動も治(おさま)る
サユ「じゃあ……行こう」
そう言って彼女は歩き出した
サトル「わわ、ちょっと待ってよ!」
僕は彼女に追いつくために小走りで行く
女2「…………….」
女3「……………..」
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~帰り道~
サトル「………….」
サユ「…………….」
サトル(ど……..どうしよう、この空気)
サユと一緒に帰っているが、一言も喋っていない、ただ一緒に歩いているだけだ
何か話そうと思ってはいるのだが、彼女の顔を見ると何故か急に話せなくなるのだ
サトル(僕ってこんなに臆病だったけ?)
そう思いながら、心の中で葛藤しているが、一向に話せない
しかしこのままだと結局一緒に帰るだけで
今日の努力が無駄になってしまう
それは避けたい僕は勇気を持って話しかける
サトル「ねぇ………サユ」
サユ「……何?」
そこから先が言えない、喉がカラカラで汗が止まらない
サトル(ええい!ままよ!)
サトル「(サトルの)友達と何かあったか?」
サユ「な!?………なんで…….」
そう驚く姿は、自分に恐怖している様な顔だった
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続く
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