第2話 私の日常

今回は幼馴染み目線です


サユ「ねぇ、サトル?今日ちょっと良い?」


私の名前はサユ、私は日本のとある小学校に通ってる小学生だ


私には小さい頃から一緒にいる男の子がいる

名前はサトル、所謂"幼馴染み"と言うやつだ

幼稚園の頃はいつも一緒にいた、よくお風呂にも入ったし、お昼寝も一緒にした


しかし小学生に上がるとサトルは少しずつ私と話さなくなった

私はいつも彼と一緒にいた為、友達という友達が少ない


サユ(サトル君とは同じクラスになれて嬉しいけど、全然話せていない………今日こそは!)


昨日はサッカーの約束をしていてすぐに帰ってしまったが、流石に今日もというわけではないだろう、そう思って声をかけたのだが


サトル「ごめん、今日も友達と遊ぶ約束してるから」


そう言って彼は去ってしまった


サユ(ハァ………..今日もかぁ)


今日こそは一緒に帰れると思ったのだが、無理だった

仕方がないのでランドセルを背負って教室から出る


???「………………」


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サユの自宅


サユ「ただいまぁ」ハァ


私はため息をこぼしながら、帰宅する

隣の家は幼馴染みの彼の家で

私が帰っている時にはもう家から出ていた


サユママ「おかえり、サユ」


サユ「ママ、ただいまぁ」


靴を脱いで居間に入ると、そこには恋愛ドラマを見ながら紅茶を飲んでいるママがいた


サユママ「給食セットはそこに置いといて、これ見終わったら洗うから」


そう言ってママは、目線をテレビに向ける

この恋愛ドラマは始まったばかりなので、洗われるのは当分先だろう


サユ「わかった」


しかし、洗い方がわからない私にとってはママに頼るしかないので言われた通りにする

ついでにプリントも置いておき、自分の部屋に行く


2階に行き、自分の部屋に入るとカーテンを開ける、向こう側には幼馴染みの部屋が見えるが、肝心の幼馴染みの姿は見えない


サユ(それもそうだよね…..)


私はそう思うと、ランドセルを椅子にかけて布団の上にダイブする

ボフッと独特な音と今日干したのであろうお日様の匂いが私を包み込む


そのまま天井に顔を向けていると、ふと小さい頃の記憶が蘇る


幼稚園の頃、私とサトルはいつも一緒にいた

家が隣なのもそうだが、組なども同じで晴れの日は私の遊びに付き合ってくれたり

雨の日は一緒にお絵描きもした


でも成長するにつれて男女での価値観の変化のせいでサトルとは少しずつ疎遠になってしまい、今では同じクラスにいるのに話すらしないのだ


それに勇気を持って話しかけてもすぐに他の友達の所へ行ってしまう為会話らしい会話なんてしていない


私もサトルの趣味に合わせようと考えていた時もあったが、私は外遊びより中で遊ぶ方が好きだし、何より私は女の子だそもそも一緒に遊べない


サユ「………..はあ」


今日何度目かもわからないため息を溢す


もちろん友達はいる、しかし内気な性格のせいで、親友と呼べるほどの仲はいない

その為この後友達の家に遊びに行くとか、友達が遊びに来るなんて事もない為正直に言ってこの時間がとても暇なのだ


宿題なんてすぐに終わってしまう為、私は本を読む


本の世界は素晴らしい、ドラゴンや勇者、魔王やお姫様など、色々な人達が作る物語は登場人物の職業や位等はさほど変化がないのに全く違うストーリーが展開される


そして私もその世界の住人の1人になるのだ

お姫様は私で、勇者様は………..


そう想像しているだけで恥ずかしくなり、自分でも分かるほど顔が熱くなっている


この世界にはないものが本の世界ではあり

ありえないもの実現出来ないものも本の中ならいくらでも出来る


そうやって私は本の中の住人になりながら

その世界に入る、この世界の私はとても饒舌で言いたい事をはっきりと言えるお姫様、とても美しくて、綺麗なドレスなどを着ているのだ


そして突如………魔王………さら….われ…………


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サユママ「サユー!そろそろご飯できるよー!」


サユ「ん………..んんー………?」


外を見ると茜色の空が広がっていて、街灯も点き始めていた、どうやら本を読んでいる間に寝てしまったらしい


私は寝ぼけている体を起こし目を擦る、目脂がついていて手に付着する


サユ「……….」


下降りたら手を洗おうと決め、ドアを開けて下に降りるまだ少し頭がぼうっとするが手摺りに掴まりながら降りれば階段を踏み外さない限りは落ちることはない


サユママ「ほら、さっさとご飯並べるの手伝って」


下に降りるとママにそう言われ、中に入るととても美味しそうな匂いがした


時間を見るとそろそろ夕食の時間なのだが


サユ「あれ?パパは?」


いつもならこの時間帯にはパパが帰ってくるのだが、今日はその姿が見えない

それを不思議に思ったのか、ママは答える


サユママ「今日パパは仕事が長引いて遅くなるんだって」


サユ「ふーん…そうなんだ」


どちらかと言うと私はママよりパパの方が好きだ、いつも私達の為に仕事をしてくれるし

ママがいないときはパパがご飯を作ってくれるのだが、ママより美味しい


帰ってきたらいつも今日の事を食事の時に話すのだが、今日はいないので仕方ない


寂しい姿を見せてしまっていたのか、ママがクスクスと笑いながら頭を撫でる


サユママ「大丈夫よ、今日は帰りが遅いだけだから…..ね?」


サユ「……うん」


そう言われても寂しいものは寂しい

しかし我儘を言ってもパパが早く帰ってくる事はない、諦めて食事の手伝いをする


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サユパパ「ただいま」ガチャ


夕食後、片付けが終わり、1階で女の子達が変身して戦うアニメを見ていると玄関から声が聞こえる


サユ「パパだ!」ダッ


私は颯爽と動き、後ろを向いているパパに抱きつく


サユパパ「お!サユ!ただいま」


サユ「お帰りなさい!」


私がパパに抱きついていると


サユママ「こーら、サユ、パパが困るでしょ?離れなさい」


と言って私は抱っこされる


サユママ「お帰り、パパ」


サユパパ「ただいま、ママ」


ママは私を抱っこしたままパパに話しかける

パパも笑いながら話す


どうやら2人だけの世界に入ってしまったようだ、こうなると長い


取り敢えず、パパとママの邪魔はしたくないので、ママの手を外し降りると部屋に戻り

再生ボタンを押す


私は本も好きだが、女の子が活躍するアニメも好きだ


皆んな個性があって、カッコよくて、友達の為、町の為、日本、世界果てには異世界や宇宙の為に戦うのだ


でも中身は普通の女の子、夏休みの最後に必ず宿題を全くやらずに絶望する子や、生徒会長、異世界人や未来人、男の格好をした女の子等、とても個性があってとても楽しい


サユ(私の所にも妖精さんとか来ないかなぁ………..)


ある日突然、妖精もしくは謎の怪人やそれと戦っている女の子が目の前に現れて、私もその道を……….


とよく想像してしまう

そうすれば私はこの性格を変えれるのかもしれないから


私は学校では殆ど話さない、内気な性格が災いして他の女の子達と上手く話せないのだ

その為休み時間になっても本を読んでばっかで、そのせいでどんどんと機会を失って、と悪循環がずっと続いているのだ


サユ(もし、私に変わる勇気があれば、サトル君もきっと………..)


きっと昔のように遊んでくれると、そう思っている



………..しかし、変わることが全て良い事に繋がるわけではない、この時の私はその事を知る由もない、そして変わってしまった事で私が










































………..全てを失う事も





















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今回は視点や目線を変えて行きながら

ゆっくりと書くつもりです

鬱展開やザマァ展開も多分当分先です


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