第05話「少年と焼き栗(3)」
「ハハハ、あの時は大変だったね」
「ハハハ、じゃ無いわよヒロ! 私は心臓止まるかと思ったわ!」
ボクは北の森で拾い集めた大栗の中から二つ大きな実を選び鋼のナタで切り込みを入れるとヒジから色違いの左の手の手のひらに握り締めた。
「炎のしっぽ」
ボクの左手は炎に包まれ美味しそうに栗を焼く、燃える炎はボクの左手のヒジから上をを焼こうとするが水の精霊ウンディーネ、キヨミズの加護で燃えはしない。
キヨミズとはフェイがあのあとウンディーネにつけた名前だ、フェイは個体を識別する為の名前をフェイやボクが使っている人間世界の共通言語、魔法王国語でつける、炎の精霊サラマンダーのホムラや冬眠中の灰色グリズリーのクマ吉の名前もフェイがつけていて、ボクのヒロと言う名前は
そしてキヨミズはあの時、サラマンダーのホムラのしっぽでボクの新しい左手を作り、そしてそれを支えられるようにボクの血にウンディーネのキヨミズの体である聖剣の湖の水のを混ぜ治癒能力を付与してくれた、実際今は怪我をしてもフェイの魔法無しで簡単に治癒が始まるんだけどフェイがボクに優しくしてくれるのはとても嬉しい事だった。
「本当に便利よねそれ♪」
「ホムラのしっぽで復元した左手とキヨミズの加護があれば火なんて怖く無いね♪」
「ヒロ!! 反省は、ハ・ン・セ・イ、」
「わっ、わかってるよフェイ、そうだいっぱい取れたしこの栗、クマ吉とホムラにお裾分けしょうか?」
「いいんじゃ無い? 冬越しの分は十分取ったし、でも……」
「そうだねクマ吉には砂糖たっぷりのモンブランにして渡した方が喜ぶかもね」
「モンブラン? わっ、私、私のは?」
「もちろんフェイの分も作るよ」
「アッ、でも食べ過ぎるとまた冬用の木の実取らないと……」
「じゃ、こんどは南の森に鮭狩りに行こうよ、クマ吉と一緒に鮭を狙って
「えー燻製? 燻製は甘くないじゃないじゃない」
「フェイ、人間はね甘い物だけでは生きていけないんだよ」
「私は生きていけるわ♡」
「もうフェイはしょうがないな♪」
「いいじゃない、だってフェアリーは甘いのにめがないんだから」
そう言ったフェイはこの何もない日常をとても大切にしていた。
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