第31話 気になる


「それで泰章さんの情報は集まりましたか?」



私の心の中に飛び込んできた、あの人、全てを愛している。


今迄は、裏から日本、何時かは世界を牛耳るのを夢みていました。


それを捨てさせた、男性。


殆どの人間は卑屈で醜くて...禄でも無い人間ばかりだ。


いつしか、殆どの人間は【虫けら】にしか思えなくなった。


幾ら、クズでも親を殺せば、少しは涙を流すのか、そう思ったが【少しも悲しく思わなかった】



それなのに【泰章さんの事を考える】と胸が熱くなる。


あの人が【死ぬ】そう考えたら...もしかしたら生きていけない、そう思ってしまう。


ハァ~ 人を好きになると言う事は馬鹿になる事。


そう言った人が居ましたが、本当にそうみたいです。



「その、調べれば、調べる程...可笑しな事になりまして」


「良いわ、聞いた事をそのまま話しなさい」



聞けば、聞く程信じられない。


たった1人で竜ケ崎組に乗り込み戦い勝利した。


神の如き外科手術を行い、竜ケ崎組の組員の体を治してしまった。


そして、竜ケ崎組と山戸連合では、まるで神のように崇められている。




可笑しい、泰章さんは...法学部だ医学部ならまだしも、あり得ない。



「それを私に信じろと言うのですか?」


「そうは言っておりません、ただ、複数の人間がその様に言うのです、しかも、組関係にはかなりお金を積んで手に入れた情報です、しかも本来は絶対に言ってはいけないシークレットだそうです」


「そう、他には何かあるのかしら?」



「その...ますます可笑しいのですが、1人の組員の言う事には【医術】でなく【奇跡】【魔法】だと言うのです」


「まぁ、それはそれ位素晴らしい技術という事でしょうか? 闇医者の中にはその報酬と引き換えに治せない様な怪我や傷を治す者が居ると聞きます、そういう事なのかも知れませんね」


「私個人としても興味が出てきました...引き続き調査をさせて頂きます」


「お願いしますね」




何処までも私の興味を引き続けるのですね。


噂の半分でも本当なら、まるで物語の勇者じゃないですか?


この間の動物園...まるで動物が泰章さんに怯えていた様に見えました。



それは兎も角...本当に興味が尽きない...ですね泰章さんは...



「今井常務、今日も暇ですね」


「本当に、また何処か行くか?」


「それならお供しますね」



ただ一緒に居るだけでも、つい見入ってしまいます。



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