第20話 おしまい

やっぱり知らないのね。


王族の童貞喪失の相手は普通は下級貴族から選ばれる。


そして、相手をした後は、そのまま家臣全員の慰み者として弄ばれて..飽きたら殺される運命しかないのに。


何故、そうするのか? 


仮にも王族である以上は平民や奴隷を相手にする事は出来ない。


更に言うなら...他の男性のお手付きになった者の相手をさせる訳にもいかない。


そこで選ばれるのが王家には逆らえない下級貴族の令嬢から選ぶ制度だ。


この時ばかりは滅多に頭を下げない王が頭を下げる。


そりゃそうだ「お前の娘を慰み者にして殺すけど、許せ」そういう意味だからだ。



だがこの行為で子供が出来たら...その子供には王位継承権が発生する。

それは凄く、不味い...だから...もし妊娠しても王族の子だと立証できない様に沢山の男に抱かせて捨てる方法を取るようになった..だが、それすら確実性が無いとして、最近では王族が童貞を捨てた後、数日楽しみ、家臣に回されて...最後は騎士達の慰み者になり..首を跳ねる..そういう制度に変わった。


もうロザリオの死は確定しているのに..どうやって復讐するのかしら?


「ジュディ..どうするのよ...これ..」


「そうね、責任はシャルロット姉さんがとれば良いだけだわ..私は実家からシャルロット姉さんを助けて欲しい...そう言われただけだからね」


「だけど、これじゃ..」


「助かったでしょう? 少なくとも卒業まで虐められずにすむわよ」


「......」


「実はね、私はもうランディウスじゃ無いのよ?だから責任なんて取る必要がないの」


「何ですって....」


「ロザリオを売った代金の代わりに..国王様から貴族を辞めて自由にして良いって権利を貰ったのよ..だから、帝国にでも母さんを連れていこうと思うの」


《第四王子の相手が見つからなくて困っていた王様、恩が売れたダグラス...そして自由を得た私..正に全員が得する良い取引だった。》


「そんな事、そんな事許さない」


「関係ありません、王命ですから、それにもう馬車が母さんを迎えに行っているわ」


「頑張って、次期ランディウス当主、シャルロット様...潰れなければだけどね」


「許さないわ」


「だったら決闘をします? 受けるわよ」


「しないわ」


「そう、じゃぁ私は行くわ」



帝国に行ったら、小さな領地を買って..母さんと一緒にリンゴでも育てながら暮らそうかな..


そうだ、黒いバラを沢山植えよう...フルールが好きだった黒薔薇を



数年後...帝国の外れに黒薔薇とリンゴを名産にする領地が現れた。


その領地の真ん中には黒薔薇で囲まれた教会があり、そこには黒い服を着た女神が祭られている。


その女神の名前は誰も知らない






                                 FIN


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【賢いヒロイン中編コンテスト 中間突破 最終選考落選】黒薔薇様が見ている 石のやっさん @isinoyassan

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