第19話 ドナドナ

勝負は早い方が良い..どうせこちらの動向位は知っているだろう。


こちらの仕掛けがばれる前に勝負をつける...


私は大広間に帰ってきたロザリオを見つけた。


「私、ランディウス、ジュディは、はロンベルク、ロザリオに決闘を申し込むわ!」


「あら、誰かと思えばブタさんね、良いわよ受けてあげるわ..場所は教練場..時間はたった今よ..良いわね」


《やはり、思った通り...相手に対して考える余裕を与えない..策略や罠を考える隙も与えない為に 直ぐに決断して決める...昔の私じゃ勝てない筈だわ...》


「おや..どうしたのかしら..おじけづいたのかしら?」


「いや、ロザリオっていい女だなぁってさ」


《黒薔薇になったから解る..此奴は同類だ..もっとも今はただの小娘みたいな物だけど..》


「あら..それは褒めて頂いたのかしら? だけど、手加減はしなくてよ!」


「これは本心から思ったのよ...手加減は無用だわ」


「そう、安心したわ..ならお礼をいっておくわね..ありがとう」


....................


..........


「「「「「「「「「ロザリオ、ロザリオ、ロザリオ」」」」」」」」」



相変わらずロザリオ、ロザリオ煩いわね、ロザリオが戦う訳じゃないでしょうに。


「さてと決闘をはじめようかしら? 今回も私はこちらの方に代理人を頼みますわ」


「はいはい..銀ハエ冒険者かしら? そう言えば名前を聞いてなかったわ..今回はちゃんと名乗りをあげられますか?」


「貴様..私は金級冒険者のセイラだ..ハエ呼ばわりした事を思い知らせてやる」


「あら、金級にあがったの? その程度で? 変なの」


「貴様..この前以上にいたぶってやる覚悟しろ」


「はいはい..出来るのならどうぞ.. 何なら先手も譲ってあげるわ」


「貴様」



あははははは、全然遅いわね..


「全然相手にならないわね..剣も使っても良いのよ」


「貴様は殺す..」


「はいはい.....所で貴方..」


「何だ!」


「硫酸はお好きかしら!」


私は隠し持っていた硫酸を頭から振りかけた。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ」


「あら、あら目に入ったようね..セイラさんはついているわね...この化け物みたいな姿を見なくて済むんだから」


「痛い、痛い、痛い、痛いのよ..助けて」


「あらっ大丈夫よ簡単には死なない程度にしてあるから..さてと需要はないと思うけどとりあえずひん剥こうかしら」


「うわうわ..」


「あら、化け物のヌード..だれも嬉しくないわね..男一人満足させられそうもないわね」


「ううううう、助けて、助けて..ロザリオ様...」


「こういっているわよ」


「......」


「助けは来ないわね..そうね、もうその胸も化け物には必要ないわね..切り落とそうかな?」


「やめやめ..うぐうううう」


「はい、簡単に切れたわね...このおもちゃ売れないし価値はないわね...ロザリオも何も言わないから...殺しちゃおう..そうすれば私の勝ちだから..」


「ころ、殺さないでお願い..」


「残念ね...貴族で無い、貴方の命の保証は必要ないのよ」


そのまま、乳房の無くなった胸ににナイフを突き刺した。


「これで私の勝ちだわ..ねぇロザリオさん」


「そうね....私は貴方のいう事一つ何でも聞かなくちゃいけないのよね..最も命の保証はあるからそれ以外でね」


「そうね、それじゃ奴隷に落とそうかしら」


「それで良いのね? 私は侯爵家の令嬢よ..奴隷になっても上位貴族の地位は下級貴族と違って消えないわ

つまり、侯爵家で奴隷..だれも買えないし、明日には解放されて終わるわ..それなら他の物の方が良いんじゃないかしら?」


「いえ、それで良いわ」


「そう、解ったわ..この恨みはいつか何倍にもして返してあげるわ」


「無理ね.」


私はラグラスさんを呼んだ。


「その男が奴隷商人ね..連れて行くと良いわ..どうせ檻に入るのは1日だけ..貴方も覚えておきなさい」


「貴方は奴隷商には運びません、王宮に行きます」


「そう、もう手が回ったのね、私の婚約者は第二王子..保護される..そういう事ね」


「いいえ、お前は 第四王子の「初めての儀」の相手としてもう買われたのだ」


「「初めての儀」何それ..ねぇ」


「簡単に説明すると第四王子の童貞の卒業の為の奴隷として売り飛ばしたのよ...流石に弟のお古を兄が貰う事はないわ...めでたく婚約も破棄...悲しい人生のはじまりね」


そう、ダグラスは王家ご用達の奴隷商でもある...王家にこいつを売り飛ばす為にパイプを繋ぐ必要があった。


「そんな事、クラソ第二王子が許すわけ無いわ...」


「侯爵家でも奴隷だから売れるのよ..ただ、手が出せないだけ..だったら王家に売れば良いだけよ」


「貴方、この借りは絶対返すわ..例え体が汚されようと権力はそのまま..絶対に殺す」


「解かった、楽しみにしているわロザリオさん」


私は笑顔でロザリオを見送った...ドナドナを歌いながら。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る