第14話 黒薔薇は舞い降りた...最初の復讐

お金は充分あるから、今私は宿屋にいる。


流石に体が臭かったわ...田舎育ちとはいえ臭い物は臭い。


新しい服を買って..身ぎれいにして...うんこれで一応は令嬢っぽくなった筈だ。


服は黒のゴシックロリータ風の服だ..フルールと同じような服。


赤にするか迷ったけど...フルールに併せたわ...師匠みたいなもんだからね。


奴隷商に挨拶にいった。


「おじさんお元気かしら?」


「あぁ、この間の方ですね....儂は元気ですが、良い話ですかな?」


「多分...まぁ失敗しなければだけどね」


私は奴隷商の主人ダクラスに説明をし、条件を記載した無記名の契約書を複数用意して貰った。


「本当にこんな旨い話があるんですか?」


「今回も利益は余り要らないから..ね..良いお客でしょう?」


「そうですな、最高のお客様かも知れません」


「その代わり...もしこれが旨く行ったら繋いで欲しいのよ、これは貴方にしか出来ない事だからね」


「そうですが、それは私にとっても大勝負と言えます」


「そう、なら、もう一つの商会の方に頼もうかしら」


「解りました..載りますよジュディ様に...」


そして、私は奴隷商の馬車で学園近くまで送って貰った。


帰ってくる日を今日にしたのには理由がある。


今は王都で園遊会が開かれている...だから有力な貴族の娘はいない、園遊会は2週間行われる。


その間はここには下級貴族の娘と平民の娘しかしない。


本当に良いチャンスだわ。


「いつも、ご苦労様...私が呼びに来たら..あそこの馬車の人呼んで貰えるかしら?」


私は学園の門番に銀貨1枚渡した。


「解りました...急いで呼ぶようにします」


《可愛いそうに...辞めるんだな..良い子だったのに...》



私は門をくぐり校舎に入った


《とりあえず、シャルロットの様子でも見ようかしら?》


相変わらず虐められているのね。


「シャルロット..ごきげんよう! やっぱりうちの実家は貧乏だっから園遊会に行けなかったのかしら? それとも送ってもらったドレスは燃やされたとかかしら?」


「あんたが居なくなったせいで私は、私は..」


「良く言えるわね...だけど良いわ...そういう態度なら気になったから戻ってきたけどまた出て行くわ」


「待って、ごめんなさい...戻ってきてくれて嬉しいわ..ありがとう」


「あのね...流石に今度は私も抵抗はするわよ...良いわね」


「良いわよ《おもちゃとしていてくれるならね》」


「....という訳で、私が暴れても良いってシャルロットが保証したわ」




「それがどうかしたの子ブタちゃんの責任を大豚がおうそれだけのことですよね..それが何か..子豚さん」


「豚が何で服着ているのかしら? あれ意外に良い物よね...貰っちゃおうか?」


豚豚豚豚...沢山の罵詈雑言が飛んでくる。


彼女達は見たはずだった...貴族がどれだけ残酷なのかを...


そして無様な姿をさらした彼女もまた貴族なのだ。


「豚と一緒に生活なんて気持ち悪いわね..臭い、臭い本当に嫌だわ!」


「だったら、息を止めればい良いわ..」


「はぁー何を言って..」


「私、ジョディ、ランディウスは貴方に決闘を申し込むわ!」


「何を言っているの?」


「場所はここ、時間はたった今..」


「はぁ..貴方頭が可笑しいんじゃない?」



「開始ですわ」


ジュディはナイフを抜くと走り出す...そしてお腹をさした。


「ああああああああ!痛い! 何ですのこれは、いきなり..うぐっ 私のお腹が痛い痛い痛いうぅぅぅぅ」


「当たり前のことですわ...貴族を罵倒したから、この国の法律作法に則って決闘をしたのよ! どこに問題があるのかしら?」


お腹を押さえて蹲る令嬢の頭を踏みつける。


周りは理解が頭に回らずにただ見ていた。


「さぁ..早く抵抗して来なさい..虫けらの平民さん...ランディウスに逆らうからこうなるのよ!」


「待って..ゴホっ..このままじゃ死んじゃう..降参します..許して」


「あの、勘違いしてない、決闘で命の保証があるのは貴族だけ..平民には保証はないわ..嫌なら贖いなさい」


「うっ、そんな..死にたくないわ、死にたく」


「駄目ね..」


私は女の傍に行き、そのまま喉を掻き切った。


血が噴き出し...そのまま虫けらは絶命した。


《貴方はついているわ...最初だから楽に殺してあげたのよ》


「はい..勝者は私事、ジュディ..うふふふふふっ 」


「人殺し..人殺しだわああああああ!」


「早く、早く知らせなきゃ」



「何を言っているのかしら? 決闘はちゃんとした法律に則った権利だわ..さぁ始めるわ..次は貴方!」


「わ、私、何で、何で私なのよ..」


「貴方、さっき、私を豚って呼びましたわね? これは立派な侮辱罪だわ..貴族相手に豚..当たり前の事でしょう?」


「待って、待って..謝る、謝るから..ねぇ..ねぇ辞めてよ」


「私、ジョディ、ランディウスは貴方に決闘を申し込むわ」


「待って、ねぇそうだお金、お金で解決..それが良いわ、ねぇ」


「場所はここ、時間はたった今..」


「ちょっと辞めて.お願い、私は.戦ったことは無いわ..嫌だ、嫌だ」


「駄目ね、決闘の場所も時間も上位の方が決められるのよ? 無理だわ」


「そうだ、降参、降参、します...負けました..これなら問題ないわよね..ねぇ助けて」


「降伏は認められた権利だわ、受け入れるかどうかは別としてね、そう、だったらこれにサインして..それでい良いわよ」


「何、これ...」


「貴方は負けたのよね...さっさとサインしなさい!」


「書くわ、書きます、それで良いのよね..」



「さぁ、ここに居る全員に一対一の決闘を申し込むわ..覚悟しなさい」



結局、この騒動で殺された者が三人...書類にサインした物が22人..職員が来た頃にはそれ程の犠牲者が出ていた。


「何をしているの? ジュディさん..戻ってきたそうそうに..これは何ですか..何で泣いているの?

何をしたのです..嘘、そこの三人は死んでいるの..貴方自分がした事が解っているの?」


「ねぇ先生酷いわ..先生はロザリオ様がした事を黙認されましたわ..私も貧乏だけど貴族でしてよ...同じ権利は持って居ますのよ」


「それは..」


「文句ならランディウス家やロンベルク家に言ってからにして欲しいですわね!」


「それは、私には..その権利はありません」


「そうでしょう! これは王都の警備隊に訴えても無駄ですわ..正当な貴族の権利ですからね!」


「ですが、ここまで、ここまで何故するのですか.....」


「それは私がされていた時に言って欲しかったですわね..遅いですよ!」


「ねぇ辞めましょう..貴方は明るい子だった筈よ」


「その結果があれですわ...もう時間は戻りません..私偽善者も嫌いなのよ..私、ジョディ、ランディウスは貴方に決闘を申し込むわ」


「何を言っているの?ジュディさん」


「場所はここ、時間はたった今..」


私はこのムカつく偽善者の胸にナイフを突き立てた。


他に教員が二人来たけど..めんどくさいから..決闘法を用いて殺した。


これは当然の権利なのだから文句は言わせない..おばさんは価値が無いから殺すにかぎるわ。


それから、門番に伝えて馬車の中から「ダグラス達」を呼んで貰った。


「ダグラスよく来たわね」


「ジュディ様はここの生徒だったんですね...驚きました」


「これは書類よ..これも顔つなぎだから半額で売るわよ...その代わり条件どおりにお願いね」


「それはお任せください」


「何を言っているのですか...この人たちはいったい何なの!」


「サインしたでしょう! 貴方達は奴隷として売られるのよ?」


「嘘よ..そんな、なんで、そんな」


「泣いても無駄よ..だけど、そうだ、部屋にある物全部と今身に着けているもの全部で、手紙を書かせてあげるわ」


「そんな、総て取り上げるなんて、裸になるの何て嫌よ...」


「勘違いしないで..これは慈悲よ、この学校に通えるなら実家は金持ちでしょう? 一旦、奴隷に落として裸になれば..もう恨みは忘れるわ...貴方達にはそこまでの事をされた訳じゃないしね..」


「ですが、奴隷になったら..終わりだわ」


「馬鹿ね...その為の手紙でしょう? 実家に頼んで買い上げて貰えば...助かるじゃない! 商品にされるまで3日間..まだ何もされる前に助かるわよ」


「そう..それが貴方の最後の慈悲なのね...解かったわ..私達にはそれしか助かる道は無いのね..良いわ..」


1人の令嬢が泣きながら服を脱ぎ捨てると次々に令嬢は服を脱いだ。


結局22人全員が裸になった。


裸になった女たちは手紙を書いた後、馬車に載せられた。


人前で肌など晒した事無い彼女達はこちらを憎しみの目で見ていた。




「ちょっとした金持ちね..うん」


「あの、ジュディ..こんな事して良かったの不味いんじゃないの?」


「何を言っているの? シャルロット姉さん..自分が命令したくせに..」


「私?...何で」


「思い出して..」




「あのね...流石に今度は私も抵抗はするわよ...良いわね」


「良いわよ《おもちゃとしていてくれるならね>」


「....という訳で、私が暴れても良いってシャルロットが保証したわ」



「保証したわよね..だから、これは貴方に頼まれてした事よ」


「私のせいなの?..」



「そりゃそうなるでしょうね..頑張ってねシャルロット姉さん..責任はあなたにあるわ」


わざと奴隷に落とされた令嬢たちに聞こえるように大きな声でやりとりした。


ランディウスは貧乏貴族だ...沢山の借金がある。


これで王都の商家ではお金が二度と借りれないだろう..もしかしたら借金の返済を迫られるかも知れない。


いい気味だ...










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