第12話 黒薔薇への道⑤ お買い物

お金が出来たので..これから必要な物の購入に来た。


「あの、フルールこれは幾ら何でも...」


「煩いのですわ..貴方も私もお金がないのですわ...戦うには武器が必要なのですわ!」


「そりゃそうだけど...」


「あの女も貴方と同じ..弱いから虐げられる..当たり前の事よ!」


「そうは言っても..」


「だったら、貴方が代わってあげればいいわ..子供を産んだ中古女より処女の貴方の方が奴隷商も喜びましてよ....出来ないでしょう? 所詮人間なんてそんな物なの! 世の中には偽善者しかいないのですわよ」


「そうだね..そうだ..姉も義母も表向きは善人を装っていたわ..」


「そう、うっかり忘れそうになった、ありがとうフルール」


「解ればよいのですよ....貴方も私と同じ悪人なの..だったらそんな考えドブに捨ててしまえですわね」


「そうね...優しさなんて..要らないわね」


《だけど、それなら貴方が私にしてくれてる事は何かしら..これは優しさじゃないの?》


「その本質を知っていれば貴方の不幸は防げた..解かった」


そしてフルールは薬品やら武器を交渉して買い集めていった。


「さぁこれで必要な物は揃ったわ...帰るわよ..」


「はい..」


「案外、中古女でもお金になったでしょう? 世の中に沢山落ちていて誰も拾わない物...それは人間なのよ..」


「解りました」


「貴方は今日一日で沢山の物を手に入れた 奴隷商人との顔つなぎ、お金、戦う武器や薬品...此処までくればあと一息...ですわ」


フルールは楽しそうに私の顔で笑っていた。


やっている事は悪い事...だけど、私の人生の中でこれ程、親身になってくれている人はお母さま以外にいない。


やっぱり、フルール..貴方は私には優しいよ...




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