第11話 黒薔薇への道④ 売り飛ばす。

《ジュディは凄い..単純に思った..》


「良く食欲があるわね?」


《私がこの試練を受けた時には暫くは食欲が無く..食事がとれなかった》


「私、結構大食いなので..」


「そう、まぁ食欲がある事は良い事だわ...赤ちゃんの骨はとっておいてね...使うから」


「そうですか...」


「しかし..朝から良くウサギが食べれるわね」


「私、お肉大好きですよ」


《マリアと違った意味で凄いわ...キモが座っているというか、何と言うか凄い》



「さてと..」


「今日は何をするんですか?」


《昨日、赤ん坊を食べさせたのに..普通は平気でいられないと思うんだけど! 今日は休ませるつもりだったんだけど..まぁ良いわ》


「今日はお金と人脈を作りに行きます...今日は完璧な憑依ではなく、貴方の意識を残したまま憑依します、私のやり方を見て下さい」


「それって?何をするの」


意識が遠のいていく..再び意識が戻ると...あれっ体が動かない。


「どう、こんな感じよ」


「成程、私とフルールの意識が逆になった感じなのね」


「そういう事...だから、貴方は今日は見ているだけでい良いわ」


「解りました..後でちゃんと体返してくださいね」


「解っているわ」



私は村に来ている..


私に憑りついたフルールが誰かを探している。


「みーつけたと...あのどうかなさったのですか?」


「昨日から私の子供が行方不明なんです..一生懸命探してるのですが見つからなくて」


「そうですか..それは大変ですね...もしかして、それは赤ん坊ではないですか?」


「そうですけど..なにかご存知なのですか?」


「さっき若い女が赤ん坊を連れて...街の方に向かうのを見ました...追い掛けましょう」


「主人に相談してから....」


「それでは間に合いません...私も手を貸しますから..直ぐにいきましょう」


「ですが、主人に相談させて下さい」


「間に合わなくて良いんですか? 急がないと息子さんに二度と会えなくなってしまいます」


「解りました、行きましょう」



彼女をつれて街に向かった。


「私の名前はジュディと申します、貴方の名前は?」


「はい、クリスチーナです。」


「そう、クリスチーナね、いい名前だわ」


「そうでしょうか?」


「ではクリスチーナ急ぎましょう」


「はい」



街についた。



「ここに入っていくのを見たのです、私が聞いてきてあげましょう..クリスチーナは此処で待っていて下さい」


「はい」


..........................


..........


「あの、随分と時間が掛かりましたね..息子はその」


「その事についてですが息子さんは金髪でグリーンアイの赤ちゃんですか?」


「そうです」


「それは不味い事になったわ..貴方の赤ちゃんここに売られたみたいです」


「そんな...どうにか取り返せませんか...その為なら私何でもします」


「何でも..良かった..実は貴方が暫く働くなら子供は返しても良いという事でした」


「仕方ありません..働きます」


「では、書類を預かっていますのでこちらにサイン下さい」


「はい...これで子供は帰して貰えるのですね」


「約束します」


「さぁ行きましょう...」


「はい」



薄暗いカウンターの中に小太りの男が座っていた。


「早速、連れてきた...書類の確認をして」


「はいよ..確かに不備はないようだ...ほら約束の金だ」


「ジュディさんこれは一体...」


「大丈夫ですよクリスチーナさん...子供は返ってきますから」


「本当ですか...有難うございます」


《売られたとも知らないで..》


「おい、女こっちにこい..」


「あの..私の子は...」


「そうだ、ちゃんとサインをしたんだから...返さなきゃだわ...はい」


「この骨はなんですか?」


「貴方の赤ちゃんですわ..」


「これが...嘘嘘嘘よ」


「本当だよ...赤ちゃんは返したんだから...ちゃんと働いてね20年」


「私のサニーが、サニーが嘘だって言ってよ..嘘でしょう!」


「現実は残酷ですね...」


「そういえば、20年....何が20年なんですか」


「さっき、働くなら息子は返す、そういう約束だったでしょう?」


「ええっ..だけど..息子は..ヒグッ、グス」


「約束は約束です」


「解りました、何をすれば良いんですか?」


「性処理奴隷として20年の契約ですよ...頑張って」


「嘘...嘘でしょう...嘘よ...」


「それじゃ...さようなら..」


「私を騙したのね...」


「騙して無いでしょう..ちゃんと貴方の子供は返したわよ...死体だけどね」




「おい、お前..お前はもう、うちの商品だこっちにこい」


「私騙されたんだです...そんな契約だなんて知らなかった。」


「あのなぁ...ちゃんとした書類にあんたがサインしたんだろう? 」


「ですが..」


「ですがじゃないんだ..おいこの女を地下に連れて行け」


「嫌々いやいや..離して、離してったら...」


「煩いぞ..静かにしろ」


横っ面を殴られ、そのまま骨と一緒に連れていかれた。



「今度は中古じゃなくて.新品の処女を売りに来るから宜しくね」


「その時は高く買いますのでどうか今後とも御贔屓に」


奴隷商人に見送られ..私は奴隷商を後にした。


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