第31話 姉ケ崎麗美

私の名前は姉ケ崎麗美。


良く言えば、地元の実力者、悪く言えばヤクザの総長の娘ですわね。


まぁこの地域全部を牛耳る、姉ケ崎組の娘ですの。


ヤクザと言っても、地元では馬鹿に出来ないのですわ。


議員から警察署長、挙句は地元のゼネコンまで全部巻き込んでいますからね。


それなりの規模なのですわ。


良く裏で、この辺りで姉ケ崎組に逆らったら生きていけない。


そう言われてますわ...まぁ、最近はネットという怖い物がありますから、少しは静かにしているようですが。



私は当初、絵里香と一緒に、女子高のお嬢様高に行く予定でしたが...ちょっとした罰で此処に来る事になりましたわ。


まぁ、退屈なお嬢様高より楽しいから良いのですけど。


どんな事をしたのかって?


本当に大した事してませんのよ?


同級生の男子を海外旅行にご招待しただけですわ...多分死んでしまうかも知れませんが。



だってそれだけの事をしたんだから仕方ありませんわよ。


聞きたいですか?


仕方ありませんわね。




「麗美さん、僕と付き合って下さい!」


「まぁ、ですが、それは私の家と私がどういう女か知って言ってますの?」


「はい、知っています」


「それじゃ、なにかあった時には守って下さいますか?」


「はい」



《こんな簡単な物じゃ無いんだけどな》そうは思ったのですが、純真な目で真っすぐだったのでそのままお受けしましたの。


「そうですか? それならたった今から私は貴方の者ですわ」


「本当ですか、それじゃ」


「はい、お付き合いしますわ」



喜んでいますから良いのでしょう...放課後組員に頼んで倉庫に監禁しましたの。


たかだか20名の組員に襲われて捕まるようじゃ、もう結果は解っていましたが。


生爪剥がしたら泣きわめくし。


4人位でフルボッコしたら「助けて下さい」を連呼。


本当にムカつきましたわ。


倉庫内のプレハブからモニター越しに見ていましたが、吐き気がする程ですわ。


充分な報酬は渡し済みでしたので...これで済ます訳にはいきません。



吊る下げてサンドバックにさせたら、おしっこ漏らすわで最悪ですわ。


挙句の果てに「麗美さんは諦めます」ですって、ふざけていますわね。


それが組員に火をつけましたの。


動けなくなる程殴り蹴飛ばされたら...「警察に訴える」ですって、本当に馬鹿ですわね。


そもそも、この街では警察も私の味方ですのよ。


もう、こんなクズにようは無いので、お薬撃って、遠洋漁業漁船に載せました。


しかも、自ら年齢を偽った履歴書を書かせて、休暇はありますが連船契約でもう10年位は日本に帰って来ませんわね。


可哀想だから給料はちゃんと彼が貰える様にして、紹介料の300万だけ貰いましたわ。


(※このデーターは昭和なので今は此処まで貰えないと思います。)



ですが、これは当たり前の事ですし、凄くやさしいと思うのですわ。



【だって彼への報酬は私自身なのですから】


私はヤクザの娘ですから、私と付き合うと言う事は将来【姉ケ崎組】の総長になる必要があります。


そこから逃げるとしてもけじめは必要になりますわね。


私は地雷女なのは解ってますわよ。


確かに器量は自分で言うのもなんですが綺麗ですわね。


ですから、たった二つの条件だけ約束してくれれば、良いのです。


【私を裏切らない】


【私を守る】


この二つを守るなら、余程酷い相手でなければ、お付き合いしても良いのです。


私のいうお付き合いは【大人のお付き合い】も含みますわ。


まぁお父様が切れそうですが、そこはお父様と交渉してください。


ですが、私はそこ迄の覚悟を含んでお返事しますのよ


口先だけで嘘をつくなら、殺されても仕方ないと思いませんか?


だって誓いが嘘なら、私の命も脅かされるのですから。



まぁ、こんな話が3つ位あったせいか、お嬢様学校の話がなくなり...気がついたらこんな高校になりましたのよ。



最もそれが、凄く良かったのですわ...


だってこの学校には 天城翼様が居たんですからね。


外見が本当に好みでして、今迄のゴミとは此処から違いますわ。


そして、何より強いのですわ、組員に言って調べさせたら、世界チャンピオンをスクラップにしているんですから、あんなテスト要りませんわね。


だったら簡単ですわ【翼様が私を好きになる】それだけで充分という事ですわね。


勿論、こんなチャンス絶対に見逃せませんわよ。


逃がしたら、もう無い...そのレベルなのですから。


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