第11話 何かが変わり始めた

朝起きた。


まだ日が出る前だから、この部屋の整理からしよう。


まずは、此処にある【呪われた顔をした人形】から整理だ。


ゴミ袋のある場所は解かっているから静流さんや楓を起こさない様に持ってきた。


これをフィギュアと呼んで翼は大切にしていたみたいだが、俺には関係ない。


確かにこの人形、体は凄くスタイルが良いが、顔が呪われたみたいに目がでかい物が多い。


首吊りの刑を執行されて死ぬ時の人間より目がでかい物のが多い。


気持ち悪いから全部廃棄だ。


壁に貼ってあるポスターも同じく剥がして処分だな、翼ってどんな趣味しているんだ。


本も何で、目がでかい気持ち悪い男が同じく目がでかい気持ち悪い女を愛しているなんて物ばかりなんだ?


しかも肉体関係までしている物もある。


翼は異種相姦物が好きなのか?


変態すぎるぞ...それとも何処かに目が大きいこんな種族が居るのか?


話は良い物語りもあるが、全部廃棄だ。


女性の水着姿の写真集があるが....これは捨てられないな。


この世界は凄い...静流さんや楓は物凄い美人だが...それ以上がまだ居るなんて、信じられない。


まぁあくまで写真集だから、案外空想の存在かも知れないが。


処分するのはこんな物で良いか...


カーテンを開き窓を開けた...入ってくる風が心地よい。


日課となるトレーニングを開始した。


病み上がりだと思われているから、外は走らない方が良いだろう。


家の中で出来る簡単な物を2時間程した。


こんなんじゃ体がなまってしまう...少ししたら静流さんに話しして体を鍛えさせて貰おう。


そうだ、勉強、翼は学生だったな。


教科書は何処だ...嘘だろう【さっぱり解らない】この世界の学問は前の世界と比べられない位レベルが高い。


学園をトップで卒業した俺がさっぱり解らない...悲しくなってきた。


これもまた静流さんに相談だ。


情けなくて嫌になる。


せめて冒険者ギルドでもあれば、少しは貢献できるがこの世界には無い。


毎日、オークやオーガを狩ってくれば静流さんや楓に少しは恩返しができるがそれすら出来ない。


これでやる事は決まった。


学力の向上に体の鍛え直し、そして労働その三つだ。


幸い、もうすぐ夏休みだ、何故か静流さんはまだ夏休み前なのに【そのまま夏休みあけまで学校を休んで良い】って言っていた。


休みが終わるまで迄に授業に追いつける位の学力は欲しい。



リビングに降りて来た。


まだ静流さんも楓も寝ている。


今迄の事は俺がしたんじゃ無い、天城翼がした事だ、だがそんな事は静流さんも楓も知らない。


許されたとはいえ、マイナスからのスタートなのは間違いない。


これから少しずつでも信頼を回復して行くしかない。


まずは掃除だ、騎士と言えば花形職業だが新人や見習い騎士の仕事は下働きも含まれる。


俺は見習いは成績優秀だから許されたが、新人には違いなかった...だから得意だ。



家の中の掃除を完璧に仕上げる...特にトイレ掃除と風呂掃除、床掃除はしっかりとする。


道具は違うが逆に全て優れている。


掃除機をかけてから、全部しっかり拭き上げる、そしてトイレとお風呂もピカピカにと。


流石に寝ている、2人の部屋はそのままだが、これでよし。


意地の悪い先輩騎士には《綺麗だっていうなら舐められるだろう》そういう奴もいたが今の状態なら舐められる。


洗濯は...流石に出来ないな、女性なのだから、下着もあるし嫌がるだろう。


だから次は料理だ...冷蔵庫にある鶏肉を塩焼きにした、卵は目玉焼きにして塩を振って、パンを焼いてこれで良い筈だ。


そろそろ、2人も起きて来る筈だ。


「翼...掃除してくれたの? 凄く綺麗になっているわ、驚いた」


「お兄ちゃん、掃除もそうだけど、あの玄関にあったのお兄ちゃんの宝物でしょう?」


「ああっ、ああいうのはもう卒業しようと思って」


「もう、本当に買わないのね、なら母さんが売ってきてげるわ、買った時は高かったんだから捨てちゃうのは勿体ないから」


「そう、なら静流さんに任せるよ」


「それじゃ、母さんまだ有給消化中だから今度行ってくるわ」



「それより、朝食も作ったから2人とも顔洗ってきなよ」


「翼が作ってくれたの? 母さん楽しみだわ」


「お兄ちゃん、料理出来たの」


「まぁ静流さんには到底敵わないけどね」


それより、2人とも何て恰好しているんだ...静流さんはネグリジェで下着が透けて見えるし、楓はタンクトップに下はズボンもはいて無いから下着が見える、それが可愛らしい黄色...これは肉親、これは肉親...うん俺は大丈夫だ。



「あと、2人とも、そのそう言う恰好は凄く目の毒だから押さえてくれると助かる...」


「あっ...あははは、そうねごめんね翼、母さん気をつけるわ、だけど翼は見たく無いの?」


「あの..本当に困るから」


「はいはい、気をつけるわ」



「あのお兄ちゃん何を言っているの? 兄妹なのよ気にする事無いよね? お兄ちゃんだってよくパンイチで居たじゃない?」


《少し前のクズ兄(私命名)の時は身の危険を感じたから気をつけていたけど、今のお兄ちゃんなら別に良いじゃん家族なんだし》


「いや」


「いやじゃ無くて、まさかお兄ちゃんは妹の下着に興奮する変態じゃないよね?」


「楓は確かに妹だけど、凄く可愛いし綺麗だと思う、静流さんもね...」


「ななな..」


《何言い出すのよ..母さんも横で顔赤くしないで》


「凄く可愛くて綺麗な美少女の楓がそんな恰好で居られると、ちょっと目のやり場に困る」


《ちょっと、待ってこれがお母さんが言っていた事...昔のお兄ちゃん所じゃないってこういう事? 可愛い? 美少女?やめてよ顔が赤くなってくる》


「ハァハァ..解ったよお兄ちゃん、今度から気をつける」


《これ逆の意味で大変なんじゃないかな? 前は身の危険を感じたけど、今度は自分が流されそうで怖い、見た目がオークマンのあだ名通り今は不細工だから良いけど、もし、昔の様に痩せたお兄ちゃんに言われたら、踏みとどまれる自信はないよ...だって目が凄く綺麗なんだから》


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