第53話 誘拐
今迄この隙を待っていた。
俺の仕事は「関東地獄煉獄組」と「二条家」に喧嘩を売る事だ。
その為に、俺は千の兵隊と武器を持ってきている。
しかもこの千の兵隊は長い時間を掛けて関東に潜らせてきた。
そして、今現在は、某県の岬の近くに作った要塞のような屋敷に集めてある。
俺の仕事は簡単だ。
後藤田麗美と二条院絵里香を誘拐して此処に連れて来ることだ。
そして連れてきた後は、2人を人質に、無理難題を吹っ掛ける事。
その内容は、到底飲めない内容になっている。
そして、飲まなかった事を理由に、2人を殺害する。
その際は勿論、惨たらしく弄んで、楽しんでから殺す。
そうすれば、向こうから乗り込んできて戦争となるだろう...
そう、俺は要求を通す為の交渉でなく、「戦争になる火種」を作るのが仕事だ。
あくまで、こちらからでなく、あちらから戦争を仕掛けた...そういう明文を作る為の工作員それが俺だ。
暫く、尾行をして様子を見ていたが、隙が全く無かった...
いつもボディガードが付いていて車で送り迎えされていた。
その為、簡単にはいきそうに無かった。
だが、今は違う。
二人の女が男に現を抜かし、他の女1人が加わって3人で過ごしている事が多くなった。
ボディガードは居る物の数は前とは違い数が少ない。
これなら、どうにかなるだろう。
《ボディーガード1名..運転手沈黙させました》
《こちら、二条の運転手とボディーガード2名沈黙しました》
これで良い...これで2台の車の後ろにつけた車に連れ込めば完璧だ。
「随分、遅くなりましたわね」
「そうですね」
「それじゃ、今日はこれまでね..」
「「「それじゃあ」」」
「おい、きたぞ..」
「解かっている...車の前まで来るまで引きつけてからだ」
「あれ、可笑しいですわ..私が来たら直ぐにドアを開ける筈ですのに..不味い..絵里香、直ぐに車から離れて..」
「おっと、もう遅い..」
「絵里香!」
「お前が素直についてくれば今は何もしない、逃げるならこの場でこの女を殺す」
「仕方ありませんわね..」
「素直な事は良い事だ」
「何をしているのかしら? 私の友達に手を出すなら..」
パス、パス、パス...
「えっ..」
こんな簡単に人を撃つ物なの?
くっ 苦しい..息が出来ない..はぁはぁはぁ..
せめて助けを呼ばなきゃ..このままじゃ麗美も絵里香も連れて行かれちゃう...
「心美ーっ」
「急所は外してある、直ぐに救急車を呼べば助かる..素直についてくるなら、救急車を呼んでやる..逃げるなら、2人が死ぬことになる」
「卑怯者..仕方ありません、ついていきますわ...心美、巻き込んでごめんなさい..」
《駄目、駄目..逃げて..早く》
「大丈夫ですわ..」
私が友達を助ける為には..ついていくしか方法が無かった。
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