第40話 【閑話】麗しの生徒会長
私の名前は 二条院絵里香、良く周りの人は「麗しの生徒会長」なんて呼びます。
そして、完璧な美少女と周りの者は称えますが...私からしたら馬鹿としか思えません。
確かに私は家と美貌には恵まれましたが、他の物は自分で勝ち取ったのです。
頭で私に勝ちたいなら死ぬ程勉強すれば良い事です。
私の場合はまんべんなく出来なければならない事情があります。
だから、自分の全てを勉学にかけたら確実に勝てる筈です。
スポーツ、習い事、何でも一つで良いなら確実に勝てる筈なのです!
ですが、この学校には私に勝てる人間が居ないのです..
どこまで愚かで、何処まで努力をしないのでしょうか?
だから、私の目には「虫にしか見えないのです」 最も、そんな素振り一切見せていません。
「御機嫌よう、絵里香様!」
「はい、御機嫌よう」
今挨拶したのは私の取り巻きの1人...彼女達は一つだけ努力をしています。
それは私に「好かれよう」という努力..だから虫とは思いません。
ですが、これはこれで不毛ですわ...だってそんな努力今しか役に立ちません。
私の傍に真に居たいなら、勉学に励むべきです、そして国立大学にに入り、お父様の会社に入れば、生涯の付き合いになるかも知れません。
そんな事も解からないのです。
「絵里香様、これ読んで下さい..」
手紙を渡して走り去る..こういうタイプが一番嫌いです。
「待ちなさい!」
「...」
「この手紙は読むに値しませんから持って帰って下さい!」
自分の気持ちも口で伝えられない弱者が私に何を望むのでしょうか?
「そんな..」
「持って帰らないのですか? これは私の物で良いんですね?」
「はい」
ビリビリビリッ
「えっ」
「読みたく無いので破棄しました、では御機嫌よう!」
私は努力しない人間が嫌いです。
こんなの迷惑でしかありません。
私は今の状態に居るため努力しています、寝る間も惜しんで勉強。皆んなの為の生徒会運営、女を磨くために習い事。
それが今の私なのです。
その私に何の才能もない、何の取り柄の無い男が何故付き合えると思うのでしょうか?
例えば、どこぞの双子みたいに「私を甲子園に連れていく」と約束をして死ぬ程努力して甲子園に行ったならちゃんと応援もします、そしてそこから私に告白するならちゃんと答えます。
スポーツを頑張って、オリンピックを目標にしてメダルでも獲得するなら、勿論真剣に考えます。
なのに、私の周りにはクズしかいません。
本当に解かっているのでしょうか?
私は「二条院」の娘なんですよ...兄や姉が居るから序列こそ低いですがそれでも財閥の娘なんですよ。
もし、私と添い遂げるなら死ぬまで努力が必要になります。
そうでないなら、親族に会う度に惨めな思いをするだけです。
二条院の名前に恥じない様に..死ぬまで努力する人間、それが私なのです。
私が望むのは私の横に並び共に死ぬまで努力する人間、それだけなのです。
だからこそ、真剣なお答えが欲しいのなら...その可能性を見せて欲しい...それだけなのです。
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