第27話 残酷注意(苦手な人はこの話を飛ばして下さい) 水は上から下に流れる
「國本さん、本家の若頭が一体なんの御用ですか?」
「目羅よーお前とんでもない事をしてくれたな!」
「うちの組が何かしたんですか? 身に覚えはないですが」
「うるせえんじゃ! 俺が話しているじゃろうな..な..俺の話をお前は遮る位偉いんか」
「すみませんでした..」
「お前が可愛がっている、マッドドッグという半グレに出入りしておる健司ちゅー奴がなヤバイ奴に粉かけたんじゃ!」
「そんな、末端の末端まで流石に管理出来ませんよ..言いがかりです」
「普通ならそうじゃな! だが、そのせいで組長が狙われる事になったんじゃ..これが極道ならどういう事か解るな!」
「そんな..」
「お前、今本家がどうなっとるか知っているか? 組長を守った組員が多数病院送りじゃ..」
目羅は黙って懐からドスを取り出した.... 近くにあったゴムで小指を縛ると、板も用意せずそのまま指を詰めた。
「國本さん、これでこれで勘弁して下さい..あと組に勝ちこんだ奴はうちで必ず始末しやすから」
「それは良い..もう手打ちが終わっている」
「そうですか..」
「ただな、その条件が..健司ちゅう奴が二度と手を出さない..それが条件なんじゃ..」
「お手数を掛けました..そっちはこっちでどうにかしやす」
「指..早く病院に行けよ..指は貰わんから急げばくっつく...組長には俺がしっかり伝えて置く」
「本当にすみませんでした」
「ふざけんじゃねえぞ..この野郎」
「どうしたんですか大貫さん」
「昌よー、お前の所に出入りしている健司か? そいつがよヤバイ奴に手をだしたんだよ..その結果、本家が襲われた」
「大貫さん..ですが、健司はマッドドッグの正式メンバーじゃねぇよ!」
「ああん? そんなの関係ねぇな..出入りはしてたんだろうが?」
「してました..」
「そのせいで親父はよ..エンコ詰めるはめになったんだ..知らねえじゃ済まねえんだよ!」
「そんな..」
「おかげで目羅組は今幹部も含んで機嫌が全員悪い訳よ! 俺もお前達と仲が良いもんだからこれものよ..」
「指が...」
「ああっ1本な..俺が来たのはせめてもの情けじゃ..兄貴が来たら殺しちまう..なぁに殺しはしない..ちょっとバットを背負って貰うだけじゃ」
マットドックの幹部は目羅組により裸にされ正座させられた、そして...
「両手で頭をかばっておけ..」
バットで全員が滅多打ちにされた..
叫び声が倉庫にこだました..
「はぁはぁはぁ...大貫さん 勘弁して下さい..死んじまう..」
「.....すいやせん、すいやせん.」
「で、健司ってガキはどうするんだ? 此処までの事をしたんだ..その返答で今後のお前の人生が決まるぞ..」
「こ殺します..」
「まだガキだ殺すまでしないで良い..ただ、取り巻き共々方輪にして、この街に居られない様にしろ..こっちで見かけたら若い衆が何するか解らんからな」
「はい..」
「昌さん、どうしたんですか? 俺だけじゃなくてこいつ等まで労ってくれるなんて? それにどうしたんですかそれ?」
「ちょっとな、健司、悪いな! お前達には片輪になって貰う!」
「えっ..」
ガキッ..ボコッ
「お前ら、頭は辞めておけ..死んじまうからな..体だ体だけ殴れ」
「ひぃ..ああああっやめてくれ..嫌嫌、やめてくだ..さい..俺なにかしました.か....ああああっ」
「あああああっ、何でこんな事するんですか..いぎゃぎゃぎゃぎゃ...」
「.....」
「な...なんで死んじまう、死んじまうよ..いけないんですか..俺、昌さんに.何かしま....したか」
「馬鹿な事やるからお前がいけないんだ..上がこうしろって言うんだ、仕方ないだろう、殺されないだけましだと思って諦めな..悪いな..」
「やだ..足が、俺の足が...手も..」
ゴキッゴツ....
暫く殴られ続けて..三人が動かなくなった。
「昌...間違いなくこいつ等歩けないよ、多分二度と真面な体にならねー.」
「昌..さん..」
「何で、こんな..俺たちなにも..してない」
「俺、ちゃんと金持ってきてました...それなのに..」
「お前さぁ、ヤバイ奴に脅し掛けただろう? そいつな..目羅組飛び越えて本家に殴り込み掛けたらしいぞ? 結果目羅組の組長がエンコ飛ばして..俺らもこれもんよ..」
よく見たら、昌さんもボロボロだ..前歯も無くなっている...
「なぁ殺されないだけ良かったと思って、その片輪の体で済んだ、そう思えよ..復讐とか馬鹿な事するなよ..次は殺されるかんな..」
「解りました」
「あと今すぐこの街から出ていけ..」
「俺ら高校生..」
「死にたくないなら出ろ..目羅組に殺されるぞ..」
「そんな..」
「金も無いのに..」
「まだ」
「仕方ない..俺のおじさんが的屋やっているから紹介してやるから..そこへ行け..」
「俺..」
「いや俺も」
「グタグタいうんじゃねえ..このままこの街に居ると俺たちがお前達を殺さなくちゃなるんだ..俺を人殺しにするんじゃねえ」
「「「すいませんでした」」」
俺たちはヤバイ奴に関わった、そのせいで片輪になった。
この足はもう真面にならないだろう..
この手も..
馬鹿な事したから片輪になって高校にも居られなくなって..街から居なくならないといけない..
敵に回しちゃいけない奴だったんだ..翼は..
真面に歩けず、体を引きずる三人を月が照らしていた。
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