第21話 【閑話】 勇者の事情
俺の名前は天空院翼..
魔王を倒した勇者でお姫様と聖女と女魔導士に少女とメイドと暮らしている。
羨ましいって?
だったら、この生活お前にくれてやるよ!
いや、真面目に貰って下さい..そして、その世界に戻してくれ...
そしたら、この屋敷も女も名誉も全部あげるからさ..
無理だよな、だってあんた神じゃないもんな..
だけど、ブスは3日で慣れるというけどさぁ..全部がそうだと難しい...
早く、この5人と子供を作って隠居生活したいんだが..無理..立たないんだ。
そればかりか、酷い時には吐いてしまうんだ..
此奴らが性格が悪ければまだ良かった...だけど、凄く性格が良いんだ..それがまた悲しい。
特に、ジョセフィーナ...此奴は相思相愛の婚約者から引き離した、恨まれても仕方ないのに、尽くそうとしてくれている。
一応はこの中では一番真面だ..それでも気持ち悪い位醜いが..
俺は子供が出来たら婚約者のセレナに返してやるつもりだった。
わざわざ屋敷迄きたんだ、好きなのは解ったしな...ブスだけど。
だから何も罪に問わない様に頼んだ..なのに国を出ていく事になり、盗賊に殺されやがった。
死なれて困るのは..俺だぞ!
俺はさ、どうにか頑張って子供を作って、彼奴に詫びるつもりだったんだ。
「女神に頼まれ子を設ける必要があった」とか話して「本当に済まないが俺は魔神を警戒しなくてはならぬ」とか言ってな。
この世界で美人である聖女や女魔導士やメイドに少女..俺のブスハーレムを譲るつもりだったのに...何で死ぬんだよ..
それで、お前にとって美女ハーレムが手に入って俺はこのブス軍団とお別れWINWINだろうに..
押し付ける機会が無くなったじゃないか...お前は人気者だから上手く行くかもしれなかったのに..
案外こいつ等ブスなのに男の好みは煩いんだよ...
流石にセレナが死んだ日はジョセフィーナは泣いていたな..気持ち悪い女だが心が痛むんだよ。
だけど、俺は悪くない..そう思うが...俺が来なければ、お前は死ななかった...まぁ世界は魔王に滅ぼされたかもしれないけどな..
もしくは、魅力のチートを俺が貰わなければお前は幸せだった...このブス達もな..
だから...《ごめんよ..》
この世界は本当に悪意に満ちている。
食事も旨いし気候も良い...なのに女だけが最低なんだ..
絵画から彫刻まで醜い女しかいない..今までは前の世界の女で抜いてきたが最近では記憶が薄れてきた。
ボーイズラブに走れたら...本当は幸せなんだが...俺には無理だった。
彼奴らと美少年...不細工でもまだ女の方が良いみたいだ..幾ら美少年でも無理だった。
だから、最近、勇者の権限でちょっとした奇習をバラまいた。
「勇者様の世界では男も乳首を隠すんですか」
「ああっこちらにしたら可笑しな風習だと思うがな」
これを地道に流行らせた結果、男が裸になっても女と同じ様にブラジャーのような物をつける風習をつくれた。
これで、風呂やプールに行って下さえ見なければ脳内変換して一部の男が貧乳美少女に見えなくもない。
虚しいな...
もう高望みはしない..普通でも良い、地味子でもいい..一人で良いんだ..平均的な女の子に会わせてくれ
そうしたら、俺の栄光なんて全部やるよ...
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