第10話 【閑話】 智子 王子様は何処に!

私は今日、物凄くカッコいい男の子にあった。


まるで夢でも見ているみたい...


私はまぁ、その遊び人だ、夜遊びが好き一晩中遊んでいる事も多い。


クラブにいったり、カラオケで遊んでいたり、家にはいない事が多い。


外見は、まぁ完全に遊んでいるようにしか見えない..うん。


そして、物凄く可愛い訳ではないな..お化粧して着飾ってようやく人並みかな? 


ただ、スタイルだけは良いのと、割と露出の多い服を着ているから男は結構寄ってくる。


高校生なのでお金も無いから、寄ってくる男にたかって遊んでいる。


そんな生活しているから女の友達は少なく「男に媚びている」とか「股が緩い」なんて陰口を叩かれている。


「股が緩い?」何を言っているんだか?


確かに遊び人で派手だけど、そう言う事はしないんだよね!


そういう事は「本当に好きになった人としかする気はないよ?」案外身持ちは固いんだから。


派手な格好して遊んでいると男が寄って来て奢ってくれるからしているだけなんだから。


本当に男って馬鹿だよね、ミニスカート履いてさぁ胸元が空いた服着て居れば勝手に寄ってきて奢ってくれるんだからさぁ。



しかし、この間は不味かった..健司という奴がいてさぁ..しつこくナンパしてくるから、仕方なくカラオケだけつき合ってあげたんだけど..


しつこいったらありゃしない、多分、あいつ私がトイレに行った時にカバンとかあけて学生証でも漁っていたのか学園近くで待ち伏せしてやんの。



しかもカラオケ奢った位で偉そうに、下心丸見えなんだから普通逃げるでしょう?


ボギャブラリーが貧困でボクシングの自慢ばかり、しかも話の大半が暴力自慢、話していても全然楽しくないっていうの...


しかも此奴、本当に馬鹿なのか、朝、学園近くで待ち伏せして散々喚いた挙句、ボコってきて。


本当に最低な男...こんな人前で暴力振るう何て馬鹿なのかな、そうとしか思えない。


助けは...残念、私は嫌われているから誰も助けてくれないな....せめて警察でも呼んでくれないかな..


知り合いも通らないし..このままボコられるしかないか..


マジ最低...本当に殴って来て....それでもいう事を聞かなかったら..罵倒しやがんの、やっぱり、付き合わないで良かった本当にそう思う。



まだ続くのか...そう思ったらさぁ、本当にそう思っていたらさぁ...凄いんだよ!


まるで物語の主人公の様な、王子様みたいな男の子が間に入ってくれたんだよ!


一瞬、自分の目を疑ったよ....


あっという間に健司を倒してさぁ..



「大丈夫だった?」


「大丈夫..本当にありがとう、貴方こそ大丈夫でしたか?」


猫かぶっちゃうのは仕方ないよね。


「うん、全然、一発も当たって無いし」


確かにそうだ..うん。



「あっ不味い、遅刻しちゃう..じゃぁね!」


「あっ..」


名前も名乗らずに行っちゃったよ...


下心が無いっていうのはこういう事なんだよ...


健司が翼って言っていたし、うちの制服を着ていたから直ぐわかる..


本当にカッコ良いな....


こういう男の子とならバカップルになっても良いよ..いや寧ろなりたい。


こういう子とならホテルだって何だってつき合うよ...いや寧ろホテル代だって出しちゃうかな!


だって、だって....本当にカッコいいんだもん..




「静香、お願いがあるんだけど?」


「智子、私に相談って男の子の事でしょう?うん何でも聞いて!」


この子の名前は本田静香..この学園の男の子、特に美形には詳しい。


女の子に出回っている男子のランキング表は彼女が作っていたりする。


「えーとね、凄い美形で王子様みたいな感じで、翼様っていうんだけど..情報をお願い」


「居ないよ..」


「嘘だ..そんなハズないよ!」


《あんな美形なんだもの貴方が知らない筈ないじゃない》


「もしかしたらさぁ...吊り橋効果で本当はそんな美形じゃないんじゃないの? 私基準の美形には居ないよ..根暗でキモイ奴なら確か1人いたけどさぁ」


「根暗でキモイんじゃ違うな...」


「だけど、可笑しいな..そんな子が居たら確実にチェックしているんだけどな...そう言えば謎の転校生が王子様みたいなんて噂があったけど、先生に聞いたらデマだったよ! 転校生なんて居ないってさぁ」


「そうなんだ、解ったごめん!」




翼様..何処に居るのかな..はぁ..



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