第3話 【閑話】勇者の事情

俺の名前は 天空院 翼、まぁ気弱な男だ。


本であれば何でもよく読む。


マンガから小説、ライトノベルまで...


そして、俺には友達が居ない、別に虐められているわけでも無く、人付き合いが凄く苦手なんだ。


そして夢は..現実的な夢では「引き籠り系のユーチューバーとかに成れたらいいな」と思う。


現実的でない夢では「異世界転移..勇者に成れたらいいな..」そう思う。



いつものように学園に通う最中、車に轢かれた。


人生が終わった...そう思っていたら..


《あれっ何故か生きているぞ..》


「お目ざめですか?」


「ああああ貴方はもしかして?」


《これはもしや、あれなのか?》


「そう、女神です..多分、貴方が思った通りです」


「異世界転移ですよね..俺が勇者に成れるんですか?」


「成れますよ、ええっ成れますとも!」


「だったら、お願い致します!」


「ただ、その前に説明を聞いて下さい..良いですか?」


「解りました」


「あの、言いにくいのですが、私は貴方の思っている通り、異世界転移の女神ですが、貴方が思っているほどの能力はありません」


「そうなのか?」


「はい、よく魔王を倒したら元の世界に帰してあげるという話がありますが..それが出来ません、片道切符です」


「そうですか、別に構いません(勇者に成れるなら要らないよな) ですが、そのチートは貰えるんですよね?」


「はい、魔王と戦う勇者の召喚が今回の趣旨ですから充分に差し上げます..」


「なら充分です..女神様、それであの..ですね」


「言わなくても解ります、勿論、強いだけでなく、容姿も端麗にしますよ..間違いなくモテモテです..心配ならモテるチートも更にあげましょう、勇者の力は子供にも一部伝わるので子作りもお願いしたいですからね...うふふ、その代り制限として、最低でもあちらの世界で5人相手に子供を作って下さい..どうでしょうか?」


「お願いします..有難うございます」


「それではお行きなさい..勇者 翼!」




てなことがあってな...


着いてから可笑しいんだ、男は美男子しか居ないのに..女はブスしか居ないんだ..


少し、話しをして男は不細工が一人も居ないのに..女はブスしか居ないんだよ。


そして、王家の白百合と呼ばれている美姫、ジョセフィーナ姫を紹介されたが...凄いブスだった。


周りの女が化け物クラスだとすると..まぁ学園の全校生徒の中で群を抜いて1番のブス..だけど、人に見えるだけマシなレベルだ。


美醜逆転ならいいな..だから早くここから出たい。


さっさと魔王討伐に行こう...そして、「俺から見て美少女を探すんだ..」


そうしたらさ..


王家から聖女と女魔導士がパーティとして加わった、これがまた酷いブスなんだ。


「いやぁ流石に美男美女絵になりますな..」


これ何の冗談..気持ち悪いんですが...正直言って..これが美少女ならお笑い芸人の女は皆んなトップアイドルなんですが..


よく、ゴリラに似ているからゴリ子とかさ呼ばれている女いるじゃん、その以上に酷いレベルなんだよ..


《仕方ないなここは美醜逆転なんだろうな...お金も貰えるようだから奴隷でも買おう》


二人と一緒に旅に出た



「勇者様は照屋さんなんですね..目を併せないなんて」


「本当にそうだね..シャイなんだから」


ゴリラに限りなく近いゴリ子と潰れアンマンから具が出たような女じゃないなら..普通に顔見て話すさ。







街についた。


直ぐに二人をまいて奴隷商に行った


「一番醜い奴隷を見せてくれ」


確か、これで俺が好きな美醜逆転の小説なら とびっきりの美少女が出て...ゲロゲロ...おえっ


何だよこれ..化け物にしか見えない


全部見せて貰ったけど..気持ち悪い奴しか居ない..仕方なく俺は..声だけ可愛い背の低いゴブリンみたいな女を買った。


銅貨5枚なら良いや...


目を瞑って声だけ聴けば..少しは癒されるさ..声だけは美少女だからな...



旅を続けて半年..ようやく諦めがついた。


この世界は美醜逆転でも何でもなく...女の美しさのレベルが低いんだ。


多分、この世界にはグラビアアイドルクラスなんて居ない..何しろサキュバスまで大阪のオバちゃんの方がまだ綺麗な感じだ。


サキュバスに遭遇した時に聖女が「美しさに惑わされないで」なんて言っていたが..三段腹のオバちゃんに誰が心奪われるんだよ。


そして...あの時にあった美姫と言われたブスがこの世界では本当に凄い美少女なんだな..前の世界なら確実に全校で1番のブスなのに


ここに居る、聖女や女魔導士もこの世界じゃ美少女なんだ...


そう言えば、俺....この世界で5人相手に子供を作らなくちゃいけないんだな..


正直、目を潰そうかな、真面目に悩んでいる。



結局、魔族にも、エルフにも美形は居なかった...美しき旋律者なんていう女の魔族も居たが..やめれ「お前は三段腹デブ子だ」そう叫びたくなった。


気が重い..だが、女神との約束だ..5人と子供を作らなくては...


顔に布でも撒けば出来るか...だが、それでも..この世界で美少女と呼ばれる女が限界だ..


だって、他の女は..まるで化け物なんだからな..仕方ない


あのジョセフィーナ姫と聖女と女魔導士、声だけ可愛い奴隷、あと1人..どうにか頑張って...その後は..森にでも行って隠居してくらすか..




結局、俺はジョセフィーナ姫と聖女と女魔導士、声だけ可愛い奴隷とメイドと一緒に暮らす事にした。


このメイドは実は娼婦だった女だ...更に不細工、だけど前の世界の場末の風俗嬢みたいな感じでテクニックがある..仕方ないさ..


だけど、此奴ら...最近、やたら...永遠の愛とか言い出しやがる...嫌だよ..


正直、エッチだってしたく無いんだからな...一生なんて絶対無理だ。



そんな中、ジョセフィーナの元婚約者が来た。


そんな必死にならなくても妊娠させて子供が出来たら..返すよ..要らないんだから..本当にさ..寧ろ、引き取ってもらいたい...


だけど女神との約束だから悪いな..ドブスでもこいつ等位しか真面な女に見えないんだからさ..



此奴が屋敷に入った事をどうするか聞かれたが...


「何もしないで良い」って言ったさ...確かに此奴から女を奪ったんだからさ...ブスだけど..


でも、俺から見たらこの凄いブスが...この世界では絶世の美少女なんだろうからさ..此奴にとっては大切な彼女だったんだろうな。


前の世界が懐かしいな..だってただ学校に行くだけで...ちゃんとした普通の女の子に逢えるんだから。


あの世界に居たら...少なくともこいつ等以上に可愛い彼女が出来たと思う。


だってクラス一ブスな丸子だってこいつ等より数倍美人だ。


この世界の女は化け物並みのブスしか居ない..全員に愛されたって...嬉しくもない..


帰りたいな...帰れないけど...帰りたい。



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